Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第144回)

・『ジェラシー』

中欧の都・ウィーン。主人公のアメリカ人精神科医が、チェコスロバキア(当時)から渡ってきた人妻とひかれあう。

ところがこの女、実にメンドクサ~イ女で(w)、フランソワ・トリュフォー監督が好んで描きそうなメンヘラ女なのであった。主人公は振り回されながらもなお、彼女に恋い焦がれる(このテの映画の定番パターンですねっ)

極め付きがラスト。女がメンヘラ―の類にもれず電話で自殺予告をするが(ほんとド定番やなぁ…)、主人公はあえて直行せず、やや時間をおいてから向かう。女は薬物中毒で死にかけていた。

すると主人公は…女が抵抗できないのをいいことに、彼女の下着を切り裂いて(!)、そのままヤりはじめたではないか!

…この場面が、本作において最も官能的なシークエンスとなっている。ヤる場面よりむしろ、下着を切り裂く場面のほうがエロくてよろしい。

本作はあえて時系列を寸断しているため、やや物語の筋が追いづらいかもしれないが、それもこれも、最後のエロティックな場面を観客に強く印象づけるための演出である。

大都市でありながらどこか陰鬱とした雰囲気を湛えるウィーンの街が、より一層雰囲気を盛り上げてくれる。

ひさびさに“大人の映画”を見たな、と感じた。…あっ、別にイラヤしい意味じゃないですからね(;^_^A

それだけに、もうちょっとマシな邦題が思いつかなかったものか、と悔やまれる。

 

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 ・『じゃじゃ馬ならし

ロミオとジュリエット』『ブラザー・サン シスター・ムーン』などの時代劇でおなじみ、フランコ・ゼフィレッリ監督が、かのシェイクスピアの悪名高い(理由は後述)戯曲『じゃじゃ馬ならし』を撮った。それが本作。

主演は、女優として脂がのりにのりきった、エリザベス・テイラー

彼女が演じる主人公カタリーナはものすごいじゃじゃ馬娘で、どんな男も寄せ付けない。よし、それなら俺が、と彼女にアプローチする若い男が、本作のもうひとりの主人公、ペトルーキオである。

とにかく冒頭のカタリーナのメイクが、女性なのになんか野獣みたいで(w)、笑ってしまった。

そんな彼女がラストでは打って変わって男に従順な女性になるというのがこの作品の見どころである。

が。

そもそも『じゃじゃ馬慣らし』、昔からそのミソジニー女性嫌悪の側面を批判され続けてきた、シェイクスピア戯曲のなかでは悪名高い作品でもある。

僕もこの映画を見て、かのバーナード・ショーが原作戯曲にあたえた以下の批判が正鵠を射ていると感じた。

「まともな感情を持った男であれば、賭けや女性自身の口から発せられる演説に示されている、偉ぶった男どものモラルに強く恥じ入ることなしには、女性とともに芝居を終わりまで見ていることなどできるわけがない」ーバーナード・ショー

もっとも、ゼフィレッリ監督の美術は相変わらず「お見事!」の一言に尽き、その点は評価できる。

 

 

・『ジョー・ブラックをよろしく』

名優アンソニー・ホプキンス演じる会社社長は、死期が迫っているのを自分でも感じている。ときおり心のなかで聞こえてくる何者かの声も、彼を悩ませる。

そんな彼の前に、ある日、ブラット・ピット演じる若者がやってきた。彼の正体はなんと死神(!)であり、交通事故で死んだ若者の体を乗っ取って、ここまでやってきたのだという。

彼が登場するシーンでは、すりガラスの窓ごしに映る彼の顔が、光の加減のせいでまるで骸骨のように見え、彼の正体がまさしく死神であることを暗示している。

そんなおどろおどろしい死神も、しかし人間社会のことはさっぱりわからない。そのせいで彼がとる珍妙な言動は、見ているこっちが恥ずかしくなるほどだ(;^ω^)

だがそんな死神も、愛を知ることにより、徐々に変化していく。

超自然的存在が受肉化する(=人間としての肉体を与えられる)とどうなるかという思考実験が、本作のテーマのひとつであろう。

ブラピがまだ若い!

 

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・『スプラッシュ』

人魚のヒロインが都会に出てきて人間の男と恋をするというお話。

といっても、あまりファンタジックな作品ではなく、ラブコメディとしての性格が前面に出た映画となっている。

1960年代、人魚の少女が海に落ちた人間の少年を助ける。それから20年後の現代(1980年代)、かつての少年はトム・ハンクス扮する成人男性となり、冴えない独身生活を送っている。

そんなある日、かつての人魚の少女が人間の女性となって彼の前に現れたものだから、さぁ大変。すっかり彼女にのぼせ上ってしまう。

一方の人魚姫さん。乾いた状態では人間の姿でいられるが、水をかぶると元の人魚へと逆戻りしてしまう。当然、公の場で濡れないよう気を配るのだが…

終始トボけた感じのラブコメ映画で、頭空っぽの状態でも楽しめる、良い娯楽映画でした。金曜ロードショーあたりでやりそうな感じの映画でしたね。うん、たまにはこういう映画も悪くないかな。

 

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・『すべての美しい馬』

1940年代のテキサス。主人公のカウボーイの青年は、実家の牧場が売却されたのをきっかけに、仲間とともに米国を去り、メキシコへと向かう。

メキシコの農園で働く主人公たち。やがて農園主の美しい娘と出会い、恋に落ちるが…

という、なんとも青春映画の王道を往く作品。

主人公のカウボーイの青年を演じるのは、マット・デイモン。そして農場主の美しい娘を演じるのは…

ペネロペ・クルス

…いやぁ、もうねぇ、一度このまぶしい「ペネロペ光線」を浴びてしまったら、もうマット・デイモンなんてど~でもよくなりますよ、ホントw

彼女が登場する中盤以降は、もう彼女しか見えませんでした…(;^ω^)

 

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