Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第146回)

・『傷物語Ⅱ熱血篇』

いまや『魔法少女まどか☆マギカ』と並んで新房×シャフトの代表作になった感のある『<物語>シリーズ』。

本作は、その劇場版第2弾だ。基本的には、主人公・阿良々木くんと女吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(←名前長っ)の物語である。

…が。本作では前作と比べるとキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの出番はさほど多くはなく、それよりも目立っているのは…

羽川さんである。

本作はとにかくもう「羽川さんかわいい!×10」の一言に尽きる映画であった。まったく、どうして阿良々木くんは羽川さんよりガハラさんのほうを選んじゃうかなぁ。

 

 

・『打撃王』

難病により37歳でこの世を去った悲劇のメジャーリーガー、ルー・ゲーリッグ(1903-1941)の生涯を描いた伝記映画。主演はゲーリー・クーパーだ。

ゲーリッグ青年は、エンジニアになりなさいという母の希望に抗ってヤンキースに入団。野球選手としてめきめき頭角を現していき、ついにはベーブ・ルースと並ぶヤンキースの花形選手となる。が、「筋萎縮性側索硬化症体」なる難病が、徐々に彼の身体をむしばんでいく…。

ラスト。ゲーリッグが引退会見にて「私はこの世で最も幸せな男です」と語り、球場を後にするシーンがひときわ観客の胸を打つ。

本作にはかのベーブ・ルースも登場するが、演じているのはなんとご本人だというから驚きである。

本作が公開されたのは1942年。まだゲーリッグ本人が亡くなってから1年しか経っていない時期であった。

 

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・『ハドソン川の奇跡

2009年1月15日に起こった旅客機のハドソン川緊急着水は、当時ニュースにもなったので、まだ皆さんの記憶にも新しいことと思う。

当初から「映画化待ったなし!」と騒がれていたのだが、このたび本当に映画になったw 

監督は、あの巨匠クリント・イーストウッドだ。

「あのときの機長の勇気ある決断と卓越した操縦技術のおかげで、乗客乗員の命は救われたのです!」という、「全米が泣いた」的なお涙頂戴映画かと思いきや…

本作はむしろ、事故の“後”をこそ中心に描く。

事故後、「実はトラブル発生直後にすぐに空港へと引き返していればギリギリ着陸できたのでは?」という疑惑が浮上する。もしそうなら、機長はリスクの高い緊急着水を選択したことで、いたずらに乗客の命を危険にさらしたことになる。

果たして機長は、英雄だったのか、否か?

ネタバレになるので詳細は述べないが、「人間にとっての最善手とコンピューターにとっての最善手は異なる」という、将棋電王戦にも通じる問題提起がなされていて、とても興味深かった。

それにしても、イーストウッド監督の映像は実に美しい。80代後半になっても、彼の映画にかける情熱はますます高まる一方のようだ。

 

 

・『だれのものでもないチェレ』

1930年代のハンガリー。ひとりの少女が、衣服すら与えられず、虐待されている。彼女は孤児であり、育ての親たちは政府からの補助金目当てで彼女を引きっとったにすぎず、育てる気などさらさらなかったのだ。

家から脱走し、孤児院に戻った彼女は、また次の家庭へと貰われ、そこでも虐待を受ける。その家には、ひとりの老人がいた。実はこの家、もともと老人のものだったのだが、他の人間たちによって乗っ取られてしまったのだ。悪事の発覚を恐れた彼らは老人を毒殺する。

クリスマス、少女は牛小屋にて紙人形を飾り、ろうそくをともす。火はみるみる燃え広がり、やがて牛小屋全体を覆う。

内容はビョーク主演『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に似る。あまりにも救いがないのだ。

この世界は絶望に満ちている。

だからこそ、客観的に見れば悲劇としかいいようのないラストに、観客は“この世界の外”を見出し、“希望”を抱くのである。

…ひさびさに、とてつもない映画を見てしまったな、と感じた。

 

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・『黄昏に燃えて』

1930年代のアメリカ。ジャック・ニコルソン演じる主人公の初老の男は、かつて野球選手だったが、現在では家庭を捨て、ホームレスとなっている。もうひとりの主人公、メリル・ストリープ演じる元歌手の女も、やはり同様にホームレスとして路頭に迷っている。

男は以前、投石で人を殺してしまったことがある。また赤ん坊だった息子を誤って落として死なせてしまった過去もある。男によって殺された彼らは、幻覚(亡霊?)としてつねに男の前に現れ、男を苦しめる…。

ジャック・ニコルソンメリル・ストリープともに第一級のスターであるにもかかわらず、本作で彼らが見せるうらびれた雰囲気は、実にリアルだ。

華やかな役だけならば、二流にだってできる。

うらびれた役を演じられてこそ、一流の役者だ。

 

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