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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

2017年3月のまとめ

1月は行ってしまう。2月は逃げてしまう。3月は去ってしまう。

今日(31日)で3月も終わりですね。というわけで今月のまとめです。

 

気候

我々日本人にとって、1年とは、ある意味では4月に始まるのである。

確かに、時間の単位としての1年は、1月から始まるが、これはちょうど、時間の単位としての1日が午前0時から始まるのと似ている。

1日は午前0時に始まる。が、年越しのカウントダウンなどの特殊な場合を除けば、おそらく大半の人は、朝、日が昇るのを見て「あぁ、1日が始まったな」と感じるはずである。

1年もそれと同じ。4月に桜が咲くのを見て、我々は「あぁ、1年が始まったな」と感じる。桜は朝日と同じで、日本人の体内時計をリセットさせる機能がある、特別な花なのである。

4月の手前の3月は、したがって何かが終わる時期―「年度末」といった印象が、僕のなかでは強い。

 

政治

今月のテレビは、どのチャンネルを回しても、森友学園森友学園、また森友学園のオンパレードであった。このような「森友学園祭り」ともいうべき狂騒ーもっと言えば、“祝祭”ーに踊らされて、本当に重大な出来事が見過ごされているように思えてならない。

米国のティラーソン国務長官が今月、わが国を訪問した。16日に行われた日米外相共同記者会見において長官は、対北朝鮮政策について「過去20年間、失敗したアプローチをとってきた」として、従来の政策の誤りを認めた。

長官はまた、「あらゆる選択肢を排除しない」とも述べており、米国トランプ政権は北朝鮮に対し軍事攻撃を行う可能性がある。

今年上半期には韓国で大統領選挙が行われ、(よりにもよって)親北左派の大統領が誕生する可能性が指摘されている。これが実現した場合、北朝鮮問題がますますこじれることは必定である。

朝鮮半島情勢が風雲急を告げているなか、いつまでも「森友学園祭り」を続けていていいのか。

 

映画

今月もまた、例によって映画を30本見た。

おくればせながら、『シン・ゴジラ』もようやく見た。

総じて、よくできた娯楽映画だったと思う。まぁ、本作の政治的メッセージについては、個人的にはいささか疑問点がなきにしもあらずなのだが、それとエンターテインメントとしての完成度とは、また別の話だと思っている。

それでは今月のベストは『シン・ゴジラ』で決まり…かと思いきやw

そうではなかった! 今月のベストは、ハンガリー映画『だれのものでもないチェレ』である。

いや、今月最高どころか、今年上半期のなかでも最高かもしれない。それぐらいの作品だった。鑑賞後ひさびさに、「…あぁ、とんでもない映画を見てしまったなぁ」と身震いしたものだ。

『チェレ』は、孤児の少女を立て続けに襲う世の理不尽を描く。“この世界”はひたすら絶望に満ちている。ならばこそ、ラストで垣間見える“この世界の外”に、観客は逆説的に希望を見出してしまうのである。

この他に、いいと思った作品をいくつか。

子鹿物語』は、主人公の少年の成長がフロリダの美しい自然とともに描かれていて、良かった。父親役のグレゴリー・ペックも好演。

バーディ』は、どこか浮世離れしていて鳥にあこがれる主人公の青年が、僕と似ているなと感じて、とてもよく感情移入できた。

ソフィーの選択』は完全に、メリル・ストリープの映画。中盤における彼女のひたすらカメラ目線でのモノローグが、印象に強く残る。彼女が3ヵ国語を見事に使い分けているのにも脱帽である。

打撃王』は、実在のメジャーリーガー、ルー・ゲーリッグ(1903-1941)の役をゲイリー・クーパーが好演。彼の引退演説と球場をあとにするシーンが感動的だった。

ハドソン川の奇跡』は、てっきり「全米が泣いた」的なお涙頂戴映画かと思いきや、全然違ったw 「人間にとっての最善手とコンピューターにとっての最善手とは、はたして同じなのか」という問題提起がなされていて、あぁ将棋電王戦にも通じる話だな、と思った。巨匠イーストウッド、齢80を過ぎてなお、健在なり。

4匹の蝿』の、もはやサスペンスというよりかはむしろカルト映画としかいいようのない、特異な映像感覚も、強く記憶に残っている。

 

ドラマ

僕は基本的に、ドラマは見ない。

例外を挙げるとするなら大河ドラマだが、昨年の『真田丸』があまりに素晴らし過ぎたので、もうこれから数年は大河ドラマを見ないことに決めた。どうせ『真田丸』に及ばないことは明らかだからである(もっとも、『真田丸』のスピンオフ作品が放送されれば話は別である!w)

だが、実を言うと最近、あるドラマを楽しみにしているのである。

NHKで放送されている、『火花』だ。

原作はいうまでもなく、お笑い芸人・又吉直樹氏による同名の芥川賞受賞作。それをNetflixと吉本が映像化し、このたびNHKにて地上波放送されることと相成ったのだ。

これが実に良い! 分かりやすさよりも芸術性のほうに重きを置いた作りになっていて、ドラマというよりかはむしろ、映画の作り方に近い。

もっともそのせいで、肝心の視聴率のほうはイマイチらしい。既存のドラマの文法に慣れきった視聴者たちが困惑しているせいだろう。

主演は、「はて、このチワワみたいな顔、どこかで見た覚えがあるな…」と思っていたら、ドラマ『カラマーゾフの兄弟』でアリョーシャ(に相当するキャラクター)を演じた役者さんだった。これを機に、もっと活躍してほしい。

舞台が、吉祥寺、高円寺…と、いずれも僕の家の近所なのもうれしい。

 

アニメ

アニメについては先日感想を書いたばかりなので、あまり繰り返すことはしたくない。

僕のなかで、1位は『落語心中』、2位は『3月のライオン』。

このふたつが飛びぬけていて、以下、3位『メイドラゴン』、4位『クズの本懐』、と続く。

 

今月も、本をたくさん読んだ。

今月のベストは、ソルジェニーツィン収容所群島』。

ものすごい大著で(全6巻!)、かのトルストイ戦争と平和』よりも長いのだというから驚きである。

僕は、実を言うと先月から、他の書籍と並行してこの『収容所群島』を少しずつ読み進めていった。そして今月の下旬に入って、ようやくこの大著を読み終えることができたのである!(やったぁ!)

全体主義国家の暴力を告発する『収容所群島』、ぜひ多くの人に読んでもらいたい。とりわけ、自らを「保守」と位置付ける人にとっては、必読とすら言っていいと思う。

この他に、良かった本をいくつかご紹介したい。

今月は、元外交官にして作家の、佐藤優さんの著作を多く読んだ。

佐藤さんは、既存の右翼・左翼の垣根にとらわれないところが魅力。彼の『日本国家の神髄』は「国体」と寛容の精神の重要性を説いていて、非常に興味深い書物だった。

将棋の二上達也九段の『棋を楽しみて老いるを知らず』は実に美しい文章で、読んでいてうっとりしてしまった。将棋棋士には名文家が多い。もっと多くの棋士の本を読んでみたい。

経済学の入門書もいくつか読んでみた。

レモンをお金にかえる法』は、絵本であるにもかかわらず、「資本貸付け」「資産の流動化」といった経済学用語がポンポン飛び出すというオドロキの本。絵本だからといってバカにしちゃいけないな、と思った。

この世で一番おもしろいマクロ経済学』は分かりやすいし、山形浩生さんの訳文が実にこなれているため、スイスイと読むことができた。

なお、これらの入門書を選ぶにあたって、経済学者の田中秀臣・上武大教授のブログにおけるブックガイドがとても参考になった。この場を借りて田中教授に謝意を表したい。

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