Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第150回)

・『パーマネント・バケーション

ジム・ジャームッシュ監督の、これが卒業制作だというから驚きだ。

1980年に制作されたこの映画は、ベトナム戦争終結からまだ間もないころの、アメリカの若者たちの鬱屈した感情をよく表現している。

主人公の青年が歩くシーンを、セリフを一切入れないままロングカットで撮ったり、登場する人々が意味不明なモノローグを続けるところなどは、ギリシャ映画界の巨匠、テオ・アンゲロプロス監督のようだ。

アメリカ映画だけど、全編にわたって、ヨーロッパ映画のようなアンニュイな雰囲気が漂っている。

僕は、こういう映画が大好きだ。

 

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・『ハーレーダビッドソンマルボロマン』

主人公のハーレーダビッドソンとその相棒マルボロマンが、LAの悪質な地上げ屋に立ち向かうという内容の本作、まるで西部劇を、そのまま20世紀末のカリフォルニアに置き換えたような感じの映画だ。

冒頭、主人公がご自慢のバイクとともにかっこよくキメるシーンがなんとも印象的だが、あまりにカッコよすぎるせいでかえってカッコ悪く見えてしまう、というのが泣きどころだ。

これは、矛盾ではない。完璧なイデアなどというものは、むしろギャグに他ならないのである。

 

 

・『アイアン・ウィル 白銀に燃えて』

1917年の北米。不慮の事故で父を亡くした主人公の少年が、大学進学のための学費を捻出すべく、カナダ-アメリカ間を縦断する犬ぞりレース大会に応募する。

大会の主催者たちは、少年にもしものことがあったら責任を問われてしまうというので、なかなか少年の出場を認めようとしない。が、少年の参加にニュースバリューありと見た新聞記者からの助けもあって、ようやく少年のレース出場がかなう。

さぁ、少年は果たして優勝をおさめることができるだろうか。

ラスト。ゴール手前で倒れた少年を、沿道の人々が励ます。勇気づけられた少年は力を振り絞って…という結末は完全に映画の文法通りで予想可能な結末ではあったが(w)、たまにはこういう分かりやすい家族向けの映画もいいね、と思わせてくれる作品であった。

 

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・『花のようなエレ』

休暇でアルプスのふもとの村へと帰省してきた主人公の青年。そこには聾啞(ろうあ)者の若い女性がおり、青年は彼女と恋に落ちる。

だが軍隊帰りですさんだ生活を送る青年の兄が、彼女を犯そうとし…

本作の撮影を手がけているのは、クロード・ルノワール。なんとあの画家のルノワールの息子(三男)である。彼の兄はこれまた映画監督のジャン・ルノワールで、このブログでは以前、彼の映画『河』を取り上げたことがある

本作でも、まるで絵画のようなアルプスの光景が、美しくカメラに収められている。

花のようなエレ。花のようなアルプス。

 

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・『ハリウッド・ミューズ』

落ち目の脚本家の主人公。

ある日、友人からミューズラブライブとは関係ないからね)という女性を紹介される。

気まぐれで、やたらと高額の買い物を要求するミューズ。なんだ、ただのタカビー女かと思いきや…。彼女のおかげで脚本のインスピレーションが湧いた主人公は、たちまちヒット作に恵まれ、栄光を取り戻す。

おまけに、彼の奥さんもミューズと仲良くなってお菓子作りを教わったのがきっかけで、菓子職人として大成功! 夫婦そろってたちまち大金持ちとなる。

それもこれもミューズのおかげ。というわけですっかり彼女に足を向けて寝られなくなった主人公夫婦だったが、ひょんなことから彼女の驚くべき正体が明らかにされる…

テンポの良い都会派の作品であるが、家族向けというよりかはむしろ大人向けといえる、ロマンチック・コメディ映画だ。

スピルバーグだのスコセッシだのと、実在の有名監督の名前が次から次へと出てくるところも、また面白い。

 

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