Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

2017年4月のまとめ

気候

四月の主役は、やはりなんといっても桜だ。

僕も、近所の高井戸の桜並木を見てまわった。当日は曇りがちであまり天気は良くなかったが、そのおかげでかえって非日常感が増し、軽いトランス状態にすら陥った。

桜は、我々日本人を日常から非日常へと離陸させてくれる。

 

四月のもうひとつの主役は、新緑だ。

諸説あるが、Aprilという月名は、「開く」という意味のラテン語aprilisに由来するのだという。

冬の間はずっと殺風景だった並木道が、四月になるや一転、若々しい緑に包まれる。

しかもその緑は、一日ごとに成長していくのだ。ちょうど子供が短い間にどんどん成長するように、新緑も四月の一ヶ月間だけでどんどん芽吹き、繁茂していく。

一年のなかで、この時期がもっとも美しく、かつ面白い季節だろう。

 

政治

日本が森友学園問題などという、まったくもってどうでもいい些事で揉めに揉めている間に、朝鮮半島情勢はいよいよ戦争一歩手前の段階まで来た。

北朝鮮危機は我々の日常生活にも徐々に影を落としつつある。昨日(4月29日)にいたっては、北朝鮮がミサイルを発射したとの報道により、新幹線や地下鉄の一部が一時運転を見合わせたほどだ(この対応については賛否が分かれているようだ)

恐怖を感じる人も多かろう。だが僕はむしろ、今回の北朝鮮危機を契機に、日本人のいわゆる「平和ボケ」が治ることをひそかに“期待”しているのである。

 

国際情勢でもうひとつ、個人的に注目しているのが、フランス大統領選のゆくえだ。

決戦投票に駒を進めたのは、EU支持派のエマニュエル・マクロン候補と、反EUのマリーヌ・ルペン候補。

このルペン候補はいわゆる「極右」の政党の党首だが、一方でゲイに比較的寛容なことでも知られている。ゲイたちもまた、彼女の反イスラム、反移民のスタンスに共感しているようだ。

これについては以下の記事が参考になる。

wedge.ismedia.jp

僕たちはどうしても、ゲイはマイノリティーなのだからリベラル派を応援して当然、と考えてしまう。

だが、そんなことは当然でもなんでもない。

イスラムはゲイを差別するから、我々はイスラムの奴らを追っ払ってくれる極右を支持します」とゲイたちが考えるのはーそれが正しいかどうかは措くとしてー自然なのだ。

 

経済

歓迎すべきニュースだ。経済評論家の片岡剛士さんが、日銀審議委員に就任する見通しだという。 www.nikkei.com

片岡さんは、リフレーション(人為的に引き起こされる緩やかなインフレ)によって現下のデフレから脱却することを目指す、いわゆる「リフレ派」の論客のひとりとして知られる。

これは僕自身、経済関連のトークイベントに多数参加したから分かるのだが、リフレ派の論客には、良くも悪くもアクの強いパーソナリティが多い。そんななかにあって、片岡さんは例外的に、非常に真面目で謙虚な人だったので、強く印象に残っている。

リフレ政策を支持するひとりとして、僕は片岡さんを今後も応援していきたいと思っている。

 

将棋

今、将棋界の台風の目となっているのが、「中学生プロ棋士藤井聡太四段だ。

2002年生まれの藤井四段は、現在中学3年生。それでもれっきとしたプロ棋士であり、AbemaTVが主催する「炎の七番勝負」という企画で、大物棋士たちを次々撃破しているのだ。

七番勝負最終局ではなんとあの羽生さんとも対局、111手で見事勝利してしまった。

将棋ファンの間では、“現時点で”すでにタイトルホルダーと同等の棋力(将棋の強さ)があるのでは、と噂されている。

この若き天才の強さは、まだまだ底が知れない。

棋士たちは戦々恐々としているだろうが、僕ら将棋ファンにとっては、今後の藤井四段の活躍が今から楽しみである。

 

語学

最近、本腰を入れてロシア語の学習を開始した。

ロシア語は、一般に、難しい言語とされる。

日本語でいうところのテニヲハに応じて、名詞の形がどんどん変化していくのだ。これを格変化という。また、すべての名詞は男性、女性、そして中性という3つの性に分かれており、それぞれ複数形になると語尾が変わる。

名詞を修飾する形容詞もまた、名詞の性・数・格に応じてどんどん形を変化させていく。

動詞も、人称変化をする。英語では3人称単数現在にのみ-(e)sがつく程度だが、ロシア語ではすべての人称で語尾が変わるのだ。時制は、現在、過去、未来の3つであり、英語の現在完了進行形みたいなややこしいものはない。が、すべての動詞は「不完了体」と「完了体」という2つの形を持っており、不完了体と完了体とで全く形が違う動詞すらある。

…とまぁこんな感じで(w)、ロシア語が我々日本人には馴染みのないキリル文字を使用していることもあり、多くの学習者は途中で挫折、脱落してしまう。

だが僕は、ロシア語の文法が複雑であるがゆえに、かえって面白いと感じる。

まるでパズルを解くような感覚で、読解・作文に取りかかることができるのだ。

案外、トルストイ大好き!ドストエフスキー大好き!みたいな文学青年よりもむしろ、パズルを解くのが好きな理科系の人間のほうが、ロシア語の学習には向いているのかもしれない。

 

映画

今月もまた例によって、映画(DVD)を30作品鑑賞した。

今月のベストは、ジム・ジャームッシュ監督の『パーマネント・バケーション』。ベトナム戦争終結からまだ間もない時期の、アメリカの若者たちの鬱屈した感情がよく表現されているな、と感じた。

主人公の青年が歩くシーンを、セリフを一切入れないままロングカットで撮ったり、登場する人々が意味不明なモノローグを続けるところなどは、ギリシャ映画界の巨匠テオ・アンゲロプロス監督とも通じるものがあって、ヨーロッパ映画好きの僕にとってはとてもうれしかった。

やっぱり、こういうアート映画が好きだなぁ。

このほかに優れていると感じた作品は、『父 パードレ・パドローネ』、『ハーヴェイ』、『マドモアゼル』などだ。『ディック・トレイシー』のアメコミ的な強烈な色彩感覚も、強く印象に残っている。

 

アニメ

春クールの深夜アニメについては先日書いたのであまり繰り返したくない。ここではごく簡潔に述べるにとどめる。

今期のアニメは僕にとってはもはや有頂天家族とそれ以外」とまとめても良いくらいである。

どうして『有頂天家族』がそんなに好きなのか、とよく聞かれる。

「なにもかも」、としか答えようがない。

世の理不尽を「阿呆の血」と家族の絆で乗り越えていくというストーリー、和風ファンタジーとしての世界観、主人公役の櫻井孝宏さんの好演、久米田康治によるキャラクター原案、P.A.WORKSお得意の美しい背景描写、作中世界に合ったOPとED、なにもかもが愛おしいのだ。

ネタバレは嫌なので、あえて原作小説は読んでいない。アニメ放送が終わったら、原作も読んでみるつもりだ。

このほか、今期アニメのなかでは、『月がきれい』、『サクラクエスト』、そして『アリスと蔵六』などの作品に注目している。

 

今月は、作家・佐藤優さんの著作を中心に読んだ。

このうち、『イスラエルとユダヤ人に関するノート』はとても興味深い本だった。今月のベストに推したい。

我々日本人は、パレスチナ問題においてどうしてもパレスチナの肩をもち、イスラエルを横暴な侵略者として見てしまう。だが佐藤さんは、議会制民主主義、市場経済などの価値観を日本と共有するイスラエルこそ、中東における日本のパートナーにふさわしいと主張する。

一方、パレスチナの背後にはイランがおり、このイランのさらに背後には、北朝鮮がいる。日本には(なぜか)パレスチナやイランに友好的な知識人が多いが、佐藤さんはこれらの国、とりわけイランに対してはもっと厳しい態度で臨むよう訴えている。

僕も、イスラエルを一方的に悪とみなす風潮にはつねづね疑問を感じていたので、この本における佐藤さんの主張はとても興味深いと思った。

このほか、日本は中東外交に関しては現時点ですでに(アメリカから)自立した外交を行っているのであり、それこそがむしろ問題なのだ、という佐藤さんの問題提起も、重要であると感じた。

 

佐藤さんの本でこのほかに面白かったのは、『野蛮人のテーブルマナー』。

佐藤さんの筆は天衣無縫で、なんと霞が関とAVを結びつけてしまう。このように一見無関係に思えるふたつの事象の間になんらかの共通点を見出すのが、物書きの仕事である。

新・帝国主義の時代 左巻 情報分析篇』も面白かった。終盤の「官僚はいかに政治家に対応するか」という章は抱腹絶倒モノ。ぜひ皆さんも読んでみてほしい。

 

佐藤さんの本のほかに面白かったのが、ジャーナリスト・佐々木俊尚さんの『21世紀の自由論』。実を言うと、先の『イスラエル~』とこの本のどちらを今月のベストに推そうか、ギリギリまで迷ったほどだ(;^_^A

佐々木さんは、カタカナ表記のサヨクとは違う、真っ当な意味でのリベラルという感じ。日本のサヨクをバサバサぶった切る序盤が、切れ味抜群で最高だった。

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