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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

書評『インテリジェンス人間論』

ああ、政治というのは、男が男に惚れる世界なんだな。

 

作家・佐藤優さんの著作『インテリジェンス人間論』(新潮社)を読んで、僕はそう感じた。

 

本著は、タイトルの通り、佐藤さんが外務官僚時代にインテリジェンス(諜報)の仕事を通じて見てきた、さまざまな人間たちについて書かれた本である。

 

男はときに、男に惚れる。

それはなにも同性愛者にかぎった話ではない。

著者の佐藤さんからして、そうなのである。

佐藤さんは、鈴木宗男・元衆院議員に惚れている。

本著第1章のタイトルは、「鈴木宗男の悲しみ」。佐藤さんが、外務官僚時代からの鈴木さんとのつきあいを回顧した文章だ。

佐藤さんはこの章を書くのに非常に苦労したようで、まえがきにて以下のように振り返っている。

《この原稿用紙四十枚足らずの文章を綴るのに、私は一カ月半、考え抜いた。過去に私が綴った文章のなかで、もっとも難産したものである。》(3頁)

毎月、大量の文章を量産する佐藤さんらしからぬ告白だ。

だがこれも、いたしかたのないことであろう。人間、愛している相手のことはなかなか文章に書けないものだからである。

これはちょうど、好きになった異性の顔を、時としてなかなかうまく思い出せないことと似ている。

佐藤さんは、鈴木さんに惚れてしまったのだ。

 

男が男に惚れるーこれがもっと露骨な形で現れるのが、ロシア政界だ。

本著を読んでいて最も驚かされたのは、ロシア政界における男同士の付き合い方。

以下に挙げるのは、日本の総理が橋本龍太郎、ロシアの大統領がエリツィンだったころの話である。

佐藤さんと鈴木さんとで、橋本総理にエリツィンとの付き合い方をアドバイスすることになった。

ロシアでは、男同士でキスをする習慣がある。このことは橋本総理も知っており、読者の僕だって知っていた。

だが、それだけではなかったのだ。鈴木さんは橋本総理にこう指南したという。

鈴木 総理、ここは国益です。それにロシア人は、ほんとうの同志だということになるとアソコを握ってきます。これも「ああ気持ちがいい」といって是非受けてください。

 橋本氏は嫌な顔をして聞いている。鈴木氏の説明に誇張はない。私もロシアの政治家とサウナに入り、イチモツを握り合って約束をしたことが何回かある。》(39頁)

な、ななな、なんですか!? この腐女子が喜びそうなロシアの習慣は!!wwwww

ロシアというのは実に奇妙な国だ、とあらためて思った。それにしても、橋龍エリツィンがお互いチ〇ポを握り合っている光景を思い浮かべるとつい吹き出してしまうのは、僕だけだろうか(;^ω^)

 

このほかにも、本著には面白いところがたくさんある。特に、意外な人の意外な一面が垣間見られるところがよい。

小渕総理がインテリジェンスに通じていたこと、金日成がグルメであったことなどだ。

本著は内容も多様。インテリジェンスだけでなく、キリスト教神学や、戦前の右翼思想家・蓑田胸喜などもテーマとして挙げられる。この「なんでもあり感」もまた、作家・佐藤優の魅力のひとつであろう。僕は佐藤さんの、このいい意味で雑然とした感じが大好きだ。

…おっといけない、いけない。僕も佐藤さんに惚れてしまったかな?(w

 

インテリジェンス人間論

インテリジェンス人間論