Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第159回)

・『錨を上げて

水兵ふたりが4日間の休暇を許され、花の都ハリウッドにてロマンスを経験する、という内容のミュージカル映画

1945年7月公開とやや古い映画だが、カラー作品である。戦争の真っ最中にこういう映画を撮ってしまうのだから、やはりアメリカは大した国だ。

本作は、以前このブログでもご紹介した『踊る大紐育』とよく似たプロットの作品だがーおまけにジーン・ケリー、フランクシナトラ、と出演者の顔ぶれも重なっている!ー『踊る~』と比べるとやや退屈かもしれない。

それでも、中盤、ジーン・ケリーが『トムとジェリー』でおなじみ、あのネズミのジェリー君と一緒に踊るシーンでは、実写とアニメーションとが見事に融合しており、今見ても実に面白い。というか、この映画のなかで、ここだけが面白い(w

実写とアニメを組み合わせる手法は、46年公開の『南部の唄』でも見られる。この時代、これが流行りだったのだろう。

 

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・『トランスポーター イグニション』

以前、ジェイソン・ステイサム主演『トランスポーター』シリーズを取り上げたが、こちらはシリーズ最新作。

といっても主演を務めるのはステイサムではなく、俳優にしてラッパーのエド・スクラインだ。

前作まででステイサムの相棒役だった警部さんの代わり、ということなのだろうか、主人公のスティーブ・バノン似の)お父さんが相棒役として登場する。これがなかなかいいキャラで(w)、まるで『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のショーン・コネリーのようだ。

映画全体の出来は…まぁまぁかな、といった感想。少なくとも『トランスポーター3 アンリミテッド』よりかは断然イイ。

 

 

・『カリフォルニア・ダウン

以前ご紹介した『ワイルド・スピード』シリーズでホブス捜査官の役を好演したのが、元プロレスラーのドウェイン・ジョンソンだ。

本作は、そのジョンソンの主演作。腕利きレスキュー隊員の主人公が巨大地震に見舞われながらも、家族の救援に向かうという内容のパニック映画だ。

日本人は、欧米では地震は起きないと誤解しがちだが、実際には欧米でも、南欧やカリフォルニアでは地震は起こるのである。

本作は、カリフォルニアの巨大な断層「サンアンドレアス断層」ーこれがそのまま原題となっているーが動き、M8クラスの“群発”地震が発生した、という設定。当然、LAもサンフランシスコも壊滅してしまう。さらには観測史上最大のM9.6(!)という超巨大地震まで発生。津波も押し寄せ、カリフォルニアは阿鼻叫喚の地獄絵図となる。

本作を通じて、わが国の3.11が米国の映画人にも影響を与えているらしいことが、おぼろげながら見えてくる。

思うに、あれは米国の映画人にとっても、敗北であったのだ。これまで映画で描かれてきた津波よりも、実際の津波の映像のほうがはるかにおぞましいものだったからである。

本作で、地震もさることながら、津波によってサンフランシスコの街が壊滅する様子を描いているのは、明らかに3.11を踏まえてのものだろう。

※ついでに言えば、津波が迫るのを見て、ボート所有者たちがむしろ海に向かってボートを走らせる描写は、理にかなっており、正しい。海岸から遠くへ行けば行くほど、津波の高さは小さくなるからである。

それでも、個人的にはやはり、3.11の、あのダイダラボッチのような津波がビニールハウスを押しつぶしていく記録映像のほうが恐ろしかった。

 

 

・『インフェルノ

ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』でおなじみ、ロバート・ラングドン教授シリーズの最新作。

今回は、フィレンツェヴェネツィア、そしてイスタンブールなど地中海の古都を舞台に、われらがトム・ハンクス演じるラングドン教授が、殺人ウイルスをばらまくことで人口爆発を抑制しようと目論む狂信的な団体に立ち向かう。

作中の出来事はほぼ24時間以内に収まっており、まるでテレビドラマ『24』のようだ。

「え、まさか! アノ人が悪者!?」という、シリーズ定番の大どんでん返しも相変わらずである。

それにしても、『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』と、回を重ねるごとに“オカルト臭”が脱臭されて、良くも悪くも娯楽大作へと落ちついていきますなぁ。

 

 

・『聲の形

さて、今月のトリを飾るのは、アニメ制作会社の雄・京都アニメーション京アニによる劇場アニメ。

いじめっ子からいじめられっ子へと転落してしまった少年と、耳の聞こえない少女との交流、ディスコミュニケーションを描く。

あの京アニが、『けいおん!』的なゆるゆる、ふわふわした日常を描かなくなって久しい。本作でも描かれるのは、学校特有のドロドロした、ストレスフルな人間関係だ。

「あぁ、そうそう、学校って、こういうとこだったよな」と我々に思い起こさせてくれる。

登場する少年少女たちは、決して24時間テレビ的な純情まっすぐのキャラクターではない。だからこそ、我々は彼らにすんなりと感情移入することができるのだ。

聾唖(ろうあ)者である少女の役を、早見沙織が好演。

aikoの主題歌もまた、本作の世界観とよくマッチしていて、一度聞くと頭から離れない。