Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第160回)

・『レヴェナント:蘇えりし者

レオナルド・ディカプリオというのはなかなかに面白い役者さんだ。

タイタニック』のころはいかにも「王子様~」といった印象で、俳優というよりかはむしろアイドルといった趣きだった。しかしその後は、“いい意味で”汚らしい役を好んで演じるようになったのである。

「レオ様が汚らしくなっちゃった~」と多くの女性ファンはがっかりしたことだろうが、僕ら同性の目から見れば、王子様キャラを拒絶してあえて汚らしくなった彼は、むしろ憧れなのである。

本作にて彼は、実在した罠猟師ヒュー・グラスを演じている。

率直に言って、汚らしいオッサンである。これが本当に『タイタニック』のあのジャックなのか。だが汚らしいオッサンは、それゆえに常人離れした強靭な生命力を発揮して、ひとり野生の森から生還するのである。

本作は、マジックアワーでの撮影にこだわったのだという。マジックアワーというのは夕方ないし明け方の、太陽が沈み切っていないかあるいは上り切っていない、ごく短い時間帯である。

このマジックアワーのとき、世界は幻想的な青色に包まれる。本作の舞台である野生の森も、そのためにつねに不思議なブルーの色合いを湛えている。

そんなブルーの世界のなかにあって、ひとり屹立するディカプリオ=ヒュー・グラスの美学が際立つ。

 

 

・『浮かれ姫君』

18世紀のフランス。主人公のお姫さまは、政略結婚が嫌だというので、下女に化けて新大陸への船に乗る。

途中、運悪く海賊に遭遇するが、そこにタイミングよくネルソン・エディ演じる大尉が現れ、お姫さまを助けてくれる。それからいろいろあって、最後はお姫さまと大尉がくっつくという王道ストーリーのミュージカル映画である。

お姫さまを演じるジャネット・マクドナルドが溌剌としていて、美しい。

 

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・『ウェディング・シンガー

主人公は、結婚式で歌を披露する歌手。だが当の本人の結婚式では、なんと花嫁さんに逃げられてしまった。

以来、失意の日々を送る主人公であったが、やがて職場で知り合ったウェイトレスの女性と親しくなる。だがその女性はほかの男性との結婚を考えていた…

主人公は、ジョン・トラボルタからもうちょっとカリスマを抜きとったような感じの(失敬!)アダム・サンドラー

ヒロイン役のドリュー・バリモアは、ややふっくらしていて格別美人というわけでもないが、魅力的な女性である(と書くとまるで村上春樹作品のようだな、やれやれ)

90年代の映画だが、80年代の雰囲気がよく出ている作品だ。同時に、アメリカ映画における伝統的なラブコメディの手法にも忠実である。

 

 

・『 歌え!ロレッタ 愛のために』

実在のカントリー歌手ロレッタ・リンの半生を描いた伝記映画である。

主人公ロレッタは、炭鉱労働者の娘。まだ若いのにさっさと男と結婚しちゃって、案の定すぐ別居するも、子供ができたことがわかり、結局は男と元のさやにおさまって、故郷の街を去る…という序盤の筋書きは、なんだか現代日本のマイルドヤンキー層でもよくありそうな話である。

その後、子宝に恵まれた彼女は、よく子供たちに唄を歌って聞かせたことから、夫は彼女の才能に気づき、さっそくローカルのラジオ局に売り込みをかける。これが好調で、彼女はカントリー歌手としてどんどん人気を獲得していく。

夫の役を演じているのが、日本では某缶コーヒーのCMですっかりおなじみとなったトミー・リー・ジョーンズだというのが笑える。僕などは「あぁ、ジョーンズ調査員、若い!w」と終始笑いながら本作を見ていた。

 

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・『 エルヴィス・オン・ステージ』

エルヴィス・プレスリーはその生涯において何十本もの映画に出演したが、本作は劇映画ではなく、エルヴィスの1970年の公演の模様をおさめたドキュメンタリー映画である。

このテのドキュメンタリーの定番どおり、まずリハーサルの場面から始まる。エルヴィスはあれだけのスターなのに偉そうな印象はまったくなく、気さくな感じでスタッフと冗談を言い合いながら練習をしていく。いい人だったんだなァ。

後半はひたすら公演だ。複数にわたった公演での映像を、編集してひとつのシークエンスにまとめたのだという。

本作のおかげで、現代の世界に住む我々も、エルヴィスの公演の“疑似的な観客”になれるというわけなのだ。テクノロジーに感謝!

 

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