Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第161回)

・『オーケストラの少女』

歌が得意な少女がオーケストラづくりに奮闘する、という内容の音楽映画。

少女は、名指揮者レオポルド・ストコフスキーに、自らの楽団の指揮を依頼する。最初は多忙を理由に申し出を断っていた彼だったが、実際に楽団の演奏を聞いてみるや…

さてこのレオポルド・ストコフスキーさん、なんと実在の人物である。しかもご本人がご本人の役で出演しているというから、驚きだね。

本作は、まぁ要するに、歌のうまい女の子が自前のオーケストラをつくっちゃって、最後は世界的な指揮者と共演する、というお話なわけだけど、映画とはいえ、いくらなんでもストーリーがおとぎ話すぎやしませんかね?

 

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・『エル・マリアッチ』

メキシコのとある田舎町に、刑務所から脱獄したばかりの殺し屋がやってきた。彼の抱える黒いギターケースには、マシンガンが入っている。

一方、これと同時期に、同じく黒いギターケースを抱えたマリアッチ(音楽家)の青年が、同じ街へとやってきた。

そのせいで不運にも殺し屋と間違えられてしまった青年。命を狙われるも、なんとか街のバーへと匿われる。そこは、いかにもメキシコ美人といった印象の女性が経営するバーであったが、彼女はこの街のギャングの親玉の愛人であった…

…とまぁこんな内容の本作、要するに、殺し屋映画のパロディなわけ。

パロディなので序中盤にコミカルな場面もいくつかあるんだけど、一方で結末のほうは結構シリアス。

真面目過ぎず、かといってふざけすぎもせず。なんだかとても、不思議な魅力のある映画だった。

 

 

・『キー・ラーゴ』

地図を見てもらえるとわかるが、フロリダの先端部分は細長い島の連なりになっている。そのなかでも一番大きな島が、キーラーゴ島だ。

そのキーラーゴ島を舞台にしたのが、本作。監督は『マルタの鷹』でおなじみジョン・ヒューストン。主演はこれまた『マルタの鷹』のハンフリー・ボガードだ。

キーラーゴ島のホテルにやってきた主人公。ところがそのホテルはギャングの一味によって占拠されてしまう。主人公は元軍人だったが、戦争のトラウマのせいで無気力状態に陥っていた。だが傍若無人なギャング団を見ているうちに、沸々と怒りがこみ上げてきて…

アメリカ映画にはこのように、過去のトラウマのせいで戦えなくなった男が、悪党たちの横暴を見て正義感を取り戻し、最後には見事悪を討つ、といった内容のものが多い。わりと近年の映画のなかだと、『ダイ・ハード』がそうだったでしょう?

我らが戦後ニッポン君も、そろそろ過去のトラウマを克服し、横暴な隣国を討ちとってみては如何?

 

キー・ラーゴ(字幕版)
 

 

・『北国の帝王

1930年代の大恐慌の折、米国では汽車賃すら払えないという人が多かった。そういう人たちは、キセル(無賃乗車)によって大陸を移動していたのである。

ところが本作に出てくる鬼車掌は、絶対にキセルを許さない。キセルしている人間を見つけたら、容赦なくぶっ殺すのである。

これは比喩などではない。本当にハンマーで頭を叩いてレール上に転落させ、轢死させるというのだから、なんともエグい話。

ところがどっこい、キセルの世界にもスゴい男がいた! 「A(エース).ナンバーワン」と呼ばれる彼が、列車上で鬼車掌と死闘を繰り広げる、というのが本作の主な筋書きだ。

主人公・ナンバーワンを演じるは、リー・マーヴィン。もう見るからにシブく、百戦錬磨の達人、といった趣きである。…もっとも、やってることはキセルなんですけどねw(;^_^A

キセルの達人vs鬼車掌」という、一目で面白いとわかる素材なんだけど、ロバート・アルドリッチ監督のテンポがいささか悪く、そのせいでやや面白みに欠ける点が難点か。

 

 

・『唇からナイフ』

僕は1960年代のアクション映画が大好きだ。

『007』シリーズを筆頭に、これまで『電撃フリントGO!GO!作戦』『空から赤いバラ』などの作品を好んで見てきた。

本作も、1966年に公開されたアクション映画。全編にわたって『007』シリーズをパロディ化し、しかも主人公をお色気たっぷりのお姉さんにした感じの作品で、ユーモアたっぷり、皮肉たっぷりだ。

たとえば劇中のこんな会話。政情不安に陥った途上国を指して

「なぁに、豆粒ほどの小国ですよ」

「ならイギリスの半分くらいね」

1960年代、かつての植民地が次々独立し、「大英帝国の威厳、今いずこ」というほどに没落してしまったイギリスを皮肉った、見事なセリフでございました。

ラスト、謎のアラブ風軍団が応援に駆けつけてくれるシークエンスは、やっぱり『アラビアのロレンス』のパロディなんでしょうかね。

こういう描写、現代じゃもう無理なんだろうなァ…