Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

書評『高学歴社員が組織を滅ぼす』

世の中を変えたい

 

ーこう思っている若い方は、きっと多いはずだ(いやなにも若くなくてもかまわない)。しかし、そういった人たちは同時に、こうも思っていることだろう。

東大、京大を卒業した超エリートの人たちがこれまで社会を引っ張ってきて、それでもこのありさまなんだから、しょせん低学歴の自分が頑張ってみたところで、社会は何ひとつ良くならないんじゃないか。いやむしろ悪くなる一方なのでは…。

 

本ブログの読者の皆さんのなかにも、そう思っている方がいらっしゃるかもしれない。

…そうした考えは、ただちに捨て去ってほしい。

高学歴であっても、ダメ。いやむしろ高学歴“だからこそ”ダメ。

そう主張しているのが、今日ご紹介する『高学歴社員が組織を滅ぼす』(PHP)である。

著者は、経済評論家の上念司さん。

分かりやすい文章と、ときおりガンダムの話なども交えながら適度に煽っていくスタイルに定評がある。

 

さて、上念さんによれば、高学歴のエリートー会社員でも官僚でもーには以下の特徴がある。

1.リスク回避的である

2.安定志向であり、自己保身主義的である

3.相手が誰であるかを判断するとき、世間で重んじられるヒエラルキーばかりを重視する(※世間の評価・評判、学歴、職歴、企業規模など)

4.自分よりも「格上」と見做した人間には、思考を停止しておもねる。身内に対しては、自分が傷つきたくないので過剰に甘く、お互いに傷を舐め合う

5.「格下」の人間に対しては生死に関わる問題も含め極めて冷淡な態度をとる

こうした高学歴エリートたちの態度が、彼/彼女の所属する組織ー会社なり官庁なりーに大きなダメージを与え、場合によっては滅ぼしてしまうことは、言うまでもないだろう。

その代表的な例として、上念さんは戦前の旧日本軍を挙げている。

 

では、こうした(悪い意味での)高学歴エリートにならないために、私たちはどうしたらよいのだろう。

上に挙げた高学歴エリートの特徴と、逆のことをやればいいのである。

つまり、積極的にリスクを引き受けていく、安定志向を捨て、自己保身に走らない、などといったことだ。

すぐれた経営者は、ひるむことなく新しいことに挑戦することによって、企業を大きく成長させてきた。

その例として、上念さんはホンダの創業者・本田宗一郎さんを挙げている。

ホンダは、もともとはバイクの会社だった。それを本田さんは日本を代表する自動車メーカーのひとつへと成長させたのだ。彼はその後も、起死回生のアイデアによって幾度も経営危機を乗り越えてきた。

そんな本田さんの最終学歴は、高等小学校卒であった。高等小学校は、現在の中学校に相当する。つまりは、中卒なのだ。

仕事をするうえで、学歴というのは実は関係なかったのである。

 

東大、京大を出ているからといって、この国を良くできるとは限らない。いやむしろ、東大、京大を出た人間たちが今までこの国を傾けてきた、といっても過言ではない。

もう学歴信仰にとらわれるのはやめよう。低学歴にだって、この国を救うことはできるのである。

 

…なお、これはまったくの余談であるが。この本の著者の上念さんは、中央大法学部の出身である。

 

高学歴社員が組織を滅ぼす

高学歴社員が組織を滅ぼす