Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第167回)

・『カバーガール』

 1944年公開のミュージカル映画。主演は、フレッド・アステアとならぶアメリカ・ミュージカル界のスター、ジーン・ケリーだ。

ナイトクラブで働くヒロインが、カバーガール雑誌の表紙を飾る女性のことのコンテストに応募し、みごと優勝。ブロードウェイの花形スターとなるが、かつてのナイトクラブの振付師ジーン・ケリーの気持ちに気づき…

まぁ、往年のアメリカ・ミュージカル映画にはわりとありがちなお話である。

それにしても世界中が阿鼻叫喚の地獄絵図にあった第二次大戦真っ只中の1944年において、これほどのカラー映画を撮ってしまうんだから、やっぱりアメリカってすごい国だったんですね。

 

 

・『パーマーの危機脱出』

僕は、1960年代のスパイ映画が大好きだ。

ショーン・コネリー主演のあの『007シリーズ』を筆頭に、本ブログではこれまで『電撃フリント GO!GO!作戦』『空から赤いバラ』などのスパイ映画を好んで取り上げてきた。

本作『パーマーの危機脱出』もまた、1960年代に制作されたスパイ映画シリーズの一作。だが、豪華絢爛なアクション映画『007』とは全く異なり、本作は、地味だけれども頭の切れる主人公ハリー・パーマーの活躍を、リアルかつ堅実に描写していくのが特徴だ。

原題"Funeral in Berlin"から明らかなように、本作の舞台は東西ベルリン。ーそう、当時まだこの街は「東西」に分断されていたのだ。

冒頭、「赤い海共産主義諸国)に浮かぶ自由の島」としての西ベルリンの喧噪が描かれ、つづいて物静かな東ベルリンの街が描かれる。現代の観客は、その落差に驚くことだろう。

すでに戦後20年が経過しているとはいえ、東西ベルリンの街にはいまだ、第二次大戦で破壊された建造物の多くがそのまま放置されている。

このように、当時のベルリンの街を眺めているだけでも、本作は十分に楽しい。

どうやら本作のもうひとつの主人公は、ベルリンの街であったようだ。

 

 

・『引き裂かれたカーテン』

サスペンスの神様・ヒッチコック監督による作品。

ポール・ニューマン演じるアメリカ人物理学者の主人公が、東側への亡命者を装って東ベルリン(あ、またここが舞台ですか)に到着。そこで東側の軍事機密を入手すべく、あれやこれやと工作を試みる。

襲い掛かる敵を包丁などの台所用具で滅多打ちにした末、ガスオーブンに詰めて窒息死させるといった具合に、アクションシーンにもこの巨匠らしい趣向が込められていて、観客を飽きさせない。

が、それでもヒッチコックさんの他の作品と比べてしまうと、本作の出来はぶっちゃけイマイチ、といったところでしょうかね。

本作でも、第二次大戦で壊れたままのベルリンの建築物が出てきて興味深かったデス。

 

 

・『パニック・イン・スタジアム』

アメリカ、LAの巨大スタジアム。アメフトの試合が行われ、多くの観客でごった返すなか、ライフルをもった謎の狙撃手が潜入した。

これを察知したロス市警は狙撃手の身柄を確保しようとするが、狙撃手の腕前はプロ級で、なかなか捕らえられない。

そうこうしているうちに、狙撃手は観客席に向かって無差別に銃を乱射、多くの犠牲者が発生する……。

終盤のこの銃乱射と、観客たちがおびえてスタジアムの外へと群れを成して逃げ出すシーンが、本作の見どころである。

狙撃手の素性が最後まで謎のままなのが気に入った。

 

 

・『バニー・レークは行方不明』

本ブログではこれまで、『危険な情事』『白い家の少女』といったホラー・サスペンス映画を取り上げてきた。いずれの映画を見ても「幽霊なんぞより生身の人間のほうがよっぽど恐ろしい」という結論に至った。

本作もそうだ。

アメリカ人のシングルマザーとその娘・バニー、および母親の兄(バニーの伯父)の3人が、英国・ロンドンへと移住してきた。母親はバニーを保育園に預けるがーもっともその場面は描かれないーバニーは行方不明となってしまう。さっそく捜査に乗り出すロンドン警察。

しかし物語が進むにつれ、このシングルマザーは孤独な幼少期を過ごしており、そのときに彼女が創作した「空想上のお友達」の名前がバニーであったことが判明する。

どこか浮世離れした印象のシングルマザー。かくして観客は疑念を抱くのであるーそもそも彼女に娘なんて本当にいたのか、と。

だが、本作において最も特筆すべき登場人物は、むしろ彼女の兄のほうである。いかにも頭脳明晰で優秀そうに見える一方、いわゆる「論破厨」と呼ばれるタイプで、他人を仮借なく批判し、そのせいで敵を作りやすい性格である。

だが終盤になるにつれて、ただの「論破厨」にはとどまらない、彼のサイコパスとしての狂気があぶり出されていき、観客は戦慄するのである。

さて、結局のところ、タイトルともなっている娘バニー・レークは、実在したのか、否か。最後まで先の読めない筋書き。ラストまで必見である。

 

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