Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第170回)

・『くたばれヤンキース!』

野球大好きおじいちゃんが悪魔との契約(!)によって若返り、メジャーリーガーになって大活躍するという野球映画。同名のブロードウェイ・ミュージカルを映画化したものだ。

『くたばれヤンキース!』(原題:"Damn Yankees")というタイトルが実に直截でイイネ。

ヤンキースは、日本球界でたとえるならば読売巨人軍に相当する老舗強豪チーム。人気がある反面、アンチも多く、主人公のじいちゃんはアンチを代表するかたちで、かの球団に立ち向かうのである。

監督は、オードリー・ヘップバーン主演のミュージカル映画『パリの恋人』も手掛けたスタンリー・ドーネン。『パリの恋人』と同様、本作も独特のカット割りが印象的であり、ここにドーネン監督の創意工夫を窺うことができる。

ブロードウェイ・ミュージカルが原作なだけあって前半はテンポよく面白かったが、後半ややダレてしまった感があり、ちと残念。

あと本作のヒロイン的存在と言うべき女悪魔が結構オバサンであった点も、やや興ざめだったかな(←失礼)。

 

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・『皇帝円舞曲

20世紀初頭のオーストリア帝国を舞台に、米国からやってきたセールスマンの男とオーストリアの伯爵令嬢のロマンスを描く(あと、ふたりの飼っているワンちゃんたちまでご主人をまねてロマンスする)

監督は、マリリン・モンロー主演『お熱いのがお好き』でおなじみ、ビリー・ワイルダーだ。

本作はコミカルなミュージカル映画であるが、同時に、欧州の古臭く融通の利かない身分制社会を皮肉った、社会派の作品でもある。

ワイルダー監督自身、オーストリア出身であり、米国に移住して成功をおさめた人物であったことを考えると、なおさら興味深い。

 

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・『絢爛たる殺人』

ミュージカル映画とサスペンス映画、それぞれの要素をミックスさせたような作品だ。

劇場を舞台に華やかなミュージカル・ショーが繰り広げられる。本作は、華麗なる舞台とその舞台裏をともに描くが、ショーのさなかに殺人事件が発生してしまう……

舞台で踊るダンサーの顔に、舞台天井から血が滴り落ちるというシークエンス。モノクロ映像なので今日の僕らが見てもさほど衝撃を受けないが、当時の観客にとってはさぞやショッキングな描写だったに違いない。

さて気になる犯人は……。ネタバレになってしまうので詳細は伏せるが、ラストで犯人役の役者が見せてくれる表情の演技がスゴイ、とだけ書いておく(;^_^A

 

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・『サイレンサー 殺人部隊』

僕は、1960年代のスパイ映画が大好きだ。

本作『サイレンサー 殺人部隊』もそのひとつ。終始ゴキゲンで鑑賞することができた。

本作において大活躍する乗り物が、ホバークラフト。これは、空気を地面(水面)に吹きつけることで浮上し、移動する乗り物である。

特徴は、水陸両用であること。海を移動してそのまま陸に乗り入れることだってできちゃうのだ。本作のアクションシーンでは、このホバークラフトの特性が十分に生かされており、大いに満足であった。

もちろん、60年代スパイ映画のお約束ともいうべきカーチェイス・シーンもちゃんとあるので、ご安心をw

ナゾの日本描写、エロいお姉さん、カーチェイス、大爆発……いやぁ、これらはもはやスパイ映画の“文法”でございますなっ!

 

 

・『アルジェの戦い』

フランスによるアルジェリアの植民地支配に、僕は前々から興味を持っていた。日本の植民地支配はある程度、アルジェリア統治をお手本にしたものだからだ。

アルジェリアのフランスからの独立闘争を疑似ドキュメンタリー形式で描いた本作は、したがって、我々日本人にとっても決して無関係ではないのである。

タイトルにある「アルジェ」とは、アルジェリアの首都の名前。

アルジェの街は、実に興味深い。街はヨーロッパ人の住む地区と、アラブ人の住む「カスバ」と呼ばれる人口密集地帯とに二分されている。ヨーロッパ人地区のほうはまるでパリのように近代的で洗練されているが、カスバのほうは曲がりくねった薄暗い小道が印象的なスラム街だ。

そして、ヨーロッパ人地区へのアラブ人の立ち入りは、制限されているのである。

まるで今日のイスラエルパレスチナの関係を見ているかのようだ。

本作ラスト、独立運動が最高潮を見せるなか、カスバの住民たちは鬨の声をあげる。

実に奇妙な声だ。「勝利の雄叫び」というのとは、全然違う。やや不適切な言い方かもしれないが、人間というよりかはむしろ、類人猿の鳴き声に近い(あるいは、以前本ブログでも取り上げた『放射能X』の巨大アリの鳴き声にも似ている)

本作鑑賞後、しばらくの間、この声が頭の中にこびりついて離れなかった。

 

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