Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第171回)

今日は、“アノ話題作”も取り上げますよ~。

 

・『君の名は。

東京に住む少年と、飛騨地方に住む少女。

あるときから、ふたりはお互いの身体が入れ替わるという不思議な現象を体験する。週2、3回程度起こるこの奇妙な現象をなかば楽しむふたりだったが、ある日を境にこの現象はパタリと起こらなくなってしまう。

少女のことがどうしても気になる少年は飛騨を訪れるが、そこで彼を待ち受けていたのは衝撃的な事実であった……

アニメ監督・新海誠の名を一躍世界にとどろかせた本作。これまで、新海監督の代表作といえば『秒速5センチメートル』だったが、本作は完全に『秒速~』に取って代わった観がある。

さて、僕が劇中最も感心したのは、少女の身体に入れ変わった少年が、おっぱいを揉む描写である。それも一回だけではない。入れ替わるたびに少年は何度もおっぱいを揉むのである。

このことを言うと、たいていの人は「……え? 感心したところ、ソコですか?」とポカンとした表情を浮かべるw

多くの人は、この描写をただのコミカルパートとしてスルーしているようなのだが、僕はこういう何気ない動作にこそ、意外と本質的な論点があるのだと思っている。

これまで新海監督は、悪い意味で村上春樹の影響下にあった。それは例えば、『秒速~』における、宛て先のない長文メールを送信してなにやらウットリしちゃってるイタい主人公、といった描写に表れていた。

村上作品の主人公はすぐセックスする印象があるが、ここで重要なのは、そのセックス描写は非常に淡泊なものだということである。村上作品の主人公は、まるで息をするようにセックスをするが、決してスケベではない。筋の悪い村上春樹読者は、むしろ「スケベであること」をとても嫌がるのである。

ところが本作で、新海監督は初めて、女の子のおっぱいを思わず揉み揉みしてしまう、スケベな男の子を描いた。『秒速~』のイタい主人公なら、こういうことは絶対にしなかっただろう。

少女の身体に入れ替わった少年がおっぱいを揉む場面は、かなり何回も、いささかくどいくらいに登場する。この場面を繰り返し描くことによって、新海監督は、自らのなかにあった、悪い意味での村上春樹の呪縛から、ようやく解放されたのだ――少なくとも僕は、そう信じている。

 

君の名は。

君の名は。

 

 

・『傷物語 Ⅲ 冷血篇』

新房×シャフトによるアニメ化が予告されながらも、なかなかに実現の機会に恵まれなかった、西尾維新原作『傷物語』。それもいよいよ、本作をもって劇場版3部作としてめでたく完結と相成った。

相変わらず「羽川さん可愛い」の一言に尽きる、本作。前作ではもはや完全にメインヒロインであったが、本作でも女吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(←名前長っ!)を完全に食ってしまっているほどだ。

とりわけ中盤のおっ○いシーンの官能的なことといったら!

昔から、少女の官能美を描かせたら新房監督の右に出るものはなかった。本作でもそんな新房監督の手腕は、やはり健在であった。

これでもかとばかりに画面全体に翻る大量の日の丸、聖火の燃えさかる国立競技場など、全編にわたって<東京オリンピック>を強く意識したつくりとなっている本作。理由は定かではない。2020年まではまだ結構時間があると思うんだけどなぁ…(^▽^;)

 

 

・『聖の青春』

実在の将棋棋士村山聖(1969‐1998)の激動の生涯を描いた将棋映画である。主演は松山ケンイチ

この松山が、実に好演である。最初にメイキング映像を見たときは、てっきりご本人の生前の映像かと錯覚したほどだ。

ライバル・羽生善治役の東出昌大も好演。将棋ファンなら誰もが知っているあの「羽生睨み」を、よく再現できている。

とはいえ、本作には問題がある。脚本だ。

本作では、村山と羽生はもはやライバルなどという次元を超え、一種のBL的な絆で結ばれていた、として描かれている。だが、実際に村山が強いライバル意識を燃やしたのは、羽生よりもむしろ、そのひとつ上の世代である、谷川浩司であった。

ところが本作では谷川は、羽生が七冠を達成した時の対戦相手としてその名が言及されるにとどまるのである。

こういう改変はぶっちゃけ「歴史修正主義」だと思うのだが、皆さんはどう思われるだろうか(;^_^A 

キャスト陣が頑張ってくれているだけに、この点がいささか残念であった。

これは余談であるが。本作ではプロ棋士ないし女流棋士のひとたちが結構カメオ出演しており、将棋ファンならその点も楽しめることだろう。

 

聖の青春 [DVD]

聖の青春 [DVD]

 

 

・『マグニフィセント・セブン

名画『荒野の七人』(原題:The Magnificent Seven)のリメイク作品。

もっとも、その『荒野の七人』とて黒澤明七人の侍』のリメイクなわけだから、本作はリメイクのリメイクということになる。

19世紀のアメリカ西部。荒くれ者どもに生存を脅かされた村人たちは、用心棒として7人の凄腕ガンマンを雇った。かくして7人と荒くれ者どもの死闘の火ぶたが切って落とされた。

七人の侍』で志村喬が演じたリーダー・勘兵衛に相当する役どころは、かの黒人の名優デンゼル・ワシントンが演じている。文句のないキャスティングだ。安定感抜群!

このほか注目すべきは、ヴィンセント・ドノフリオ。「誰ソレ?」と思われるかもしれないが、あのキューブリック作品『フルメタル・ジャケット』の前半に登場するデブだよ、と言われれば「あぁ、あのデブかぁ!」とご納得いただけるはずである(;^ω^)

フルメタル・ジャケット』では散々な役柄のデブだったけれど、本作では一転、“頼れるデブ”を好演している(相変わらずデブなのはアレだけど…)。

アジア勢からはイ・ビョンホンが起用され、『七人の侍』の久蔵宮口精二に相当する役どころを演じている。

…というところからもお分かりいただけるように、本作ではマイノリティー人種の俳優が積極的に起用されている。

では『七人の侍』で三船敏郎が演じた菊千代に相当する役どころは、一体誰が演じるのだろう。……そう思って見ていたら、登場したのは実に意外なキャラクターで、これには面食らってしまった。

旧作『荒野の七人』と異なり、『七人の侍』の台詞がそのまま引用されることこそないものの、ストーリー展開はむしろ本作のほうが『七人の侍』に忠実と思われる。邦画ファンにとってはうれしいところだろう。

個人的には、メインテーマ曲が『荒野の七人』と同じなのがうれしかった。

 

 

・『ザナドゥ

実に不思議な映画だ。

地上に最高の音楽の殿堂を作るべく、なんと壁画からギリシャ神話の女神たちが抜け出し、男たちを集める。かくして集まった男たちのなかには老ミュージシャンもおり、演じるのはあのミュージカル・スター、ジーン・ケリー(!)である。

ラストはまるでPVのように音楽&ダンスのシーンの連続! もちろん、本作のタイトルともなっているあの有名な楽曲"Xanadu"も最後に歌われる。

全編にわたって、いかにも80年代的なVFXが駆使されており、一部にはディズニー的なアニメーション・シーンまで挿入されている。

こうしたVFXは80年代当時としては最先端だったのだろうが、21世紀の今日見ると、むしろノスタルジックにすら感じられるから、皮肉なものである。

 

ザナドゥ [DVD]

ザナドゥ [DVD]