Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第174回)

・『スイング・ホテル』

ビング・グロスビーとフレッド・アステアによるミュージカル映画

田舎に祝日だけショーを開催するホテルをつくった、グロスビー演じる主人公。アステア演じる友人もさっそく応援に駆け付けるが…

祝日だけショーを開催するという設定なので、本作を見ているとそれだけでアメリカの祝日の勉強になり、楽しい。

クリスマス・イヴ(12月24日)や大晦日(12月31日)、それにバレンタイン・デー(2月14日)は日本でもおなじみだが、独立記念日(7月4日)を祝うのはさすがアメリカといったところか。

イースターや感謝祭(いづれも年ごとに日付が異なる)は、我々日本人にはいまいちピンとこないかもしれない。リンカーン誕生日(2月12日)やワシントン誕生日(2月22日)に至っては、あ、そんな日まで祝日なんですか、といった印象である。

リンカーンとワシントンって、誕生月同じだったんですね…

 

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・『ジョルスン物語』

白人が顔を黒く塗って黒人の真似をして歌って踊るショーのことを、ミンストレル・ショーと呼ぶ。

このミンストレル・ショーで一世を風靡したのが、アル・ジョルスン(1886‐1950)。本作は彼の伝記映画である。

歌が得意なジョルスン青年は公演を重ねるうちにミンストレル・ショーをやるようになり、次第に頭角を現していく。

やがてすっかりブロードウェイの人気者となった彼のもとに舞い降りたチャンスが、史上初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』の主演の話。同作の成功により、彼の名声は世界的なものとなる。もちろん、映画のなかでも彼は顔を黒く塗って歌って踊るのであった。

…とまぁ、こんな内容のお話。『ジャズ・シンガー』について以前このブログでも取り上げたことがある。

本作は彼の役者一筋の生涯を描いてゆくわけであるが…

周知のとおり、今日ではミンストレル・ショーは黒人蔑視の文化として非難されており、したがってジョルスンの功績も現在ではほとんど無視されている。

だが彼だって、悪意があってやっていたわけではあるまい。たまたま当時はそういう文化があったので、やっていただけだ。本作を見る限り、彼自身はとてもストイックな求道者であった。

世の価値観が変われば人生のルールも変わる。世の価値観が変われば、たとえそれまで滅私奉公したとしても、その人生を否定されてしまう。

まぁ仕方ないとはいえ、残酷な話だなぁ、と思った。

 

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『スター!』

実在の女優ガートルード・ローレンス(1898‐1952)の半生を描いた伝記映画。

主演は『メリー・ポピンズ』『サウンド・オブ・ミュージック』でおなじみジュリー・アンドリュースだ。

勝気な性格の主人公ガートルードは、ロンドンの下町生まれ。次第に女優として頭角を現し、スターダムを駆け上っていく。アンドリュース演じる主人公があまりに勝気すぎて、一歩間違えると『カラミティ・ジェーン』になってしまいそうだが、そこはさすが名女優。ギリギリのところで「単に男の猿真似してるだけのウザイ女」から回避できている。

 

 

・『スタア誕生

アメリカ映画史にさんさんと輝くミュージカル映画スタア誕生』。今回ご紹介するのは、劇場未公開部分をスチル写真で再現した「デラックス版」である。

歌の得意な女性主人公が、今や落ち目の元スター俳優に才能を見出され、銀幕デビュー。たちまち人気となる。やがて彼女は自らを見出してくれた元スターと結婚するが、過去の栄光に追いすがる彼は酒におぼれ、没落する一方である。そしてついに……

ラスト。夫が、死ぬ直前ものすごくまぶしい、いい笑顔を見せる。死亡フラグと言ってしまえばそれまでだが、人間は真に死を覚悟すると、その表情が柔和になるのである(僕は、『レスラー』という映画を思い出す)

本作の主演は、ジュディ・ガーランド。なんと、あの『オズの魔法使』で主人公の少女の役を演じていた女優(元子役)である。その後はまぁいろいろあって、ほとんどヤク漬け(!)に近い状態になっていたのだが、本作で見事カムバックを果たしたのだ。

よほど意気込んでいたのだろう、本作冒頭から実にパワフルな歌声を披露してくれている。

劇中では、ボロボロになるのは夫のほうだが、プライベートでは、実はボロボロだったのは主人公のほうだったのだ。

もっとも、本作でカムバックを果たしたはずの彼女も、その後はまたボロボロになってしまい、40代の若さで亡くなってしまった。なんとも皮肉な話である。

 

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・『世紀の女王』

レッド・スケルトン演じる主人公の男が、ガールフレンドを追ってなんと女子大(!)に入学してしまうという、ドタバタコメディ映画。

ケルトンのコミカルな演技もいいが、やはり本作の見どころはなんといっても、ラストの水中レビューだろう。

この「水中レビュー」なるものについて、もうすこし解説が必要かもしれない。

普通、「レビュー」というのは舞台で女性たちが華麗な衣装をまとい、歌って踊るショーのことなのだが、水中レビューでは女性たちが水着を着て、プールの中でアクロバットな動きを披露してくれるのだ(水中なので、当然歌は歌えない)

本作のヒロインを演じているのはエスター・ウィリアムズ(1921‐2013)という女優。彼女はなんと、元水泳選手である!

それだけあって、本作でも見事な泳ぎ、肉体美を見せてくれている。

もっとも、この「水中レビュー」の時代、長くは続かず、彼女は1956年にMGMから契約を打ち切られてしまったのだという。

 

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