Furusawa Keisuke's blog

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書評『朝日新聞と私の40年戦争』

今年、巷間を大いに騒がせた、いわゆる「加計学園問題」。

実のところ、朝日新聞をはじめとする左派メディアによる悪質なフェイクニュースと言うほかないのが実相である。

だが朝日新聞によるフェイクニュース濫造は、なにも今日に始まったものではなかった。

 

本著『朝日新聞と私の40年戦争』(PHP研究所)は、タイトルの通り、著者と朝日新聞との長きにわたる闘いを描いた著作である。

著者は、評論家の渡部昇一さん(1930-2017)

渡部さんは、『諸君!』『正論』など保守系の論壇誌に多く寄稿していたため、彼について「右翼」というイメージを持っている方も多いかもしれない。

だが渡部さんは、もともとは英文学者であり、経済学者フリードリヒ・ハイエクを信奉する自由主義者でもあったのだ。

ところが、朝日新聞によってあたかもヒトラーの礼賛者であるかのような印象操作を受け、そこから朝日との長い闘いへと突入したのである。

 

本著では、朝日新聞がこれまで引き起こしてきたフェイクニュースとして、田中角栄裁判、中国「侵略」を「進出」に書き換えたとする教科書誤報問題、いわゆる「従軍慰安婦」報道、などが挙げられ、渡部さんはかなり多くのページを割いて、朝日新聞を批判している。

その「従軍慰安婦」報道について、朝日新聞は2014年9月11日、ついに謝罪会見を行った。

このときは、いわゆる「吉田調書」に関する誤報事件も重なっており、朝日は窮地に立たされていたのである。

当時の木村伊量社長が謝罪したが、これについて渡部さんは≪相変わらずの「大スジ論」による論点のすり替えです。虚報で日本と日本人の名誉を毀損した責任にはいっさい触れていません。

「読者のみなさま」におわびはしても、日本国民に謝罪する気はさらさらない、ということでしょう。≫(205頁)と、長年の宿敵に対して実に手厳しい。

 

もっとも、渡部さんは同時に、こうも書いている。

朝日新聞社長の呆れた“謝罪”会見以降、巷では「朝日廃刊論」や「朝日解体論」が飛び交っています。私もそれに反対はしませんが、その前にやってもらいたいことがあります。やはり、責任を果たしていただきたい。朝日には傷つけられた日本の名誉を回復させる責任があります。≫(206頁)

 

この文章は、書評である。

本来、書評というのは、本を褒めて著者を褒めて、人に「あぁ、この本を読みたい!」と思わせるための文章だと、僕は思っている。

したがって、書評のなかで著者を批判することは、原則としてしないことにしている。

だけれども、今回、僕はあえて渡部さんに、こう苦言を呈すことにしたい。

渡部先生、朝日新聞が、アノ朝日新聞がですよ、「ハイすいませんでした」と反省して責任を果たすと、先生は本当にお考えですか?

たとえ筋論として、朝日が日本の名誉を回復させるために責任を果たすのが筋なのだとしても、 現 実 問 題 と し て 彼らは絶対に責任を果たさないでしょう。

厳しい言い方かもしれませんが、朝日新聞はただただ廃刊あるのみ、と僕は考えます。

 

朝日新聞と私の40年戦争

朝日新聞と私の40年戦争