Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

2017年8月のまとめ

気候

あ゛~暑い暑い暑い暑い暑い…

…と思ったら、アレ? …暑くない?

というのが、今年の終戦記念日(15日)前後の感想である。

この8月はどういうわけだか天候不順が続き、異様なほど雨の降る日が続いた。それでもたいていは蒸し暑くてイヤになってしまうのだが、終戦記念日前後は例外的に寒気が入り込んだようで、だいぶ涼しくなった。今年は冷夏なのか、とも思った。

まぁ、暑いのは大のニガテなので、個人的には冷夏のほうがむしろありがたいのだが、農家の人々にとっては大変だろう。また、アイス屋やプール、ビアホールなども、当然ながらかなりの打撃をこうむったのだそうだ。

やっぱり、夏は暑くなければいけない。個人的にはすご~くイヤですけどね…

 

沼津

お盆からやや遅れて、実家のある静岡県沼津市に帰省した。

帰省するたびに感じるのは、沼津市民の間でアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』に関する理解が日増しに深まってきている、ということだ。

たとえば芹沢光治良記念館を訪れた際には、館員の女性が「こういうのもありますけど、よかったら見ていきますか?」と言って『ラブライブ!サンシャイン!!』関連の冊子を見せてくれた。

僕はこのとき、自分がラブライバーラブライブのファン)であるとは一切明かしていない。おそらく、ここに来る若い男性客は全員ラブライブ目当てだというのが、向こうもよく分かっているのだろう。

内浦地区を訪れた際にも、『ラブライブ!サンシャイン!!』キャラクターの描かれた灯篭(?)について、たまたま僕の近くを通りかかった地元の親切なおばあさんがあれこれ教えてくれた。

彼女たちにとって、ラブライバーはもはや遠い世界の住人などではなく、ごく身近な隣人であるのだろう。

 

東京オリンピック

帰省している間、母親との間で、こんなに暑い時期に東京オリンピックなんて本当に開催できるのか、と話題になった。

普通に考えて、無理だろう。かわいそうに、酷暑のあまり倒れる選手が続出するはずである。

前回、1964年の東京オリンピックは10月開催であった。本来ならば、2020年大会もそうすべきだったのだ。東京では、8月と10月の間には天国と地獄ほどの差がある。

それでも8月開催に決まってしまったのは、8月が欧米ではバカンスの時期にあたるからである。現代のオリンピックでは巨額の放送料が動くので、こうした“オトナの事情”には抗えないのだ。

僕はもともと、東京オリンピックには反対であった。20年大会を東京に招致するぞ!というので当時の猪瀬知事が世界を飛び回るなか、非国民の僕はというと、一貫してイスタンブールを応援していた。近代オリンピックにももう120年の歴史がある。そろそろ、イスラーム圏でオリンピックを開催しても良いころだろう、と思ったからだ。

だが結果は皆さん周知のとおり。それ以降、僕は東京オリンピックを応援することにした。

……誤解しないでほしい。転向したとか勝ち馬に乗った、というわけでは決してない。

だって、しょうがないじゃないか。現に決まっちゃったんだから。

決まる前までは反対していたけど、こうして現に決まってしまった以上は、もう何が何でも成功してもらわないと困る。

というわけで僕は遅ればせながら東京オリンピックを応援することにした。去年夏のリオ・オリンピックの閉会式で、東京がうまい具合に引き継ぎ式を演出したのを見たときは、本当に心底ホッとしたものだった(だって、今まで国際舞台での日本の演出ってほんとダサかったんだもの!)

そんな僕が、しかしながら意見を変えたのは、この夏のことであった。新国立競技場の建設に携わっていた、建設会社の新入社員が自殺したと報じられたのだ。

 

news.livedoor.com

このニュースに触れて、僕は大変なショックを受けた。

単に人が自殺したというだけの話ではない。まさに上で僕が書いたような「現に決まってしまった以上は、しょうがない、何が何でも成功してもらわないと困る」という発想が、人をひとり死なせてしまった。そのことに、僕は強い衝撃を受けたのだ。

それ以来、もう僕は東京オリンピックを応援しないことに決めたのだった。

 

避諱

内閣の新ポストに「人づくり革命担当大臣」という、なかなかのパワーワードが誕生した。

これにさっそく嚙みついたのが共産党だ。小池晃書記局長は「革命という言葉を軽々しく使わないで」と苦言を呈したという。

www.asahi.com

このニュースを読んで、「あぁ、やっぱり共産党にとって『革命』という言葉は避諱の対象なんだな」と思った。

避諱とは何か。

古来、中国では皇帝の本名(諱)の漢字は畏れ多いというので、これを使用するのを避けたのである。この風習を、避諱と呼ぶ。

共産党にとって「革命」という言葉は、古代中国人にとっての皇帝の諱に相当するものなのだろう。

中核派にしても同じことである。中核派の公式サイトを見ると分かるが、彼らの永遠のライバル・革マル派の表記がすべてカタカナで「カクマル」となっている。

カクマルごときに畏れ多い「革命」の革の字は使わせない、という中核派の意思表示だろう。これぞまさしく避諱である。

中核派は意外にも東洋の伝統に忠実だったのだ。

 

将棋

若きスターの誕生だ。

将棋の八大タイトル戦のひとつ「王位戦」にて、関西若手の菅井竜也七段が、羽生王位に番勝負で見事勝利、栄えある初タイトルを獲得した。

 

www.huffingtonpost.jp

菅井七段は、第3回将棋電王戦に出場した棋士のひとりなので、熱心な将棋ファンでなくとも、記憶に残っている方も多いかもしれない。電王戦では残念ながら勝利をおさめることはできず、その後開催された電王戦リベンジマッチでもやはり結果は同様であった。

このように電王戦では苦労してきた人なので、今回の王位戦では僕はひそかに彼を応援していたのだ。僕が羽生さん以外の棋士を応援するのは、珍しいことである。

“菅井王位”の今後の活躍が、今から楽しみだ。

 

映画

今月もまた例によって、映画(DVD)を30本見た。

今月見たなかでのベストは、なんといっても『トミー』。監督はイギリス映画界の鬼才、ケン・ラッセルだ。

この人の作品『マーラー』を見たときにもアッと驚かされたものだが、本作もまた、ものすごい映像感覚である。ほとんど脳内麻薬とすら言っていい。さてはラッセル監督、キメながら撮ったのではなかろうか(;^ω^)

ストーリーもまた興味深い。視覚聴覚が不自由だった青年がピンボールをプレイすることで五感を回復、新興宗教の教祖へと祀り上げられるが、終盤、その教団は無残に瓦解してしまう。

すぐ人をカリスマとして持ち上げるわりには、これまたすぐにカリスマの座から引きずり降ろしてしまう現代人の無節操さが、よく皮肉られていたと思う。

このほか、気に入った作品は以下のとおり。

『心の旅路』は記憶喪失をテーマにした映画の先駆けのような作品。ラストが実に良かった。

『絞殺魔』は終盤のトニー・カーティスの演技が抜群に良く、ほとんど彼の一人芝居とすら言っていい。

『スタア誕生』は、ラスト、死期を悟った夫がひとり静かに死ぬところが良い。

『タンゴ・レッスン』は、久しぶりに見たヨーロッパ映画。タンゴを踊っているだけなのに、どうしてこんなにもエロいんでしょうね。

『暗黒街の弾痕』は報われない青年の話。どうやっても社会から受け入れられない人間って、存在するんだなぁ、と考えさせられた。

『つきせぬ想い』は、こちらも久しぶりに見たアジア映画。天真爛漫なヒロインの死にオチというベッタベタな内容だったが、いい意味で汚らしい香港の下町は一見の価値あり。

 

アニメ

お盆の時期にかけては、アニメの特番や再放送が続いた。

特筆すべきはやはり、『終物語』一挙放送だろう。

いまや『魔法少女まどか☆マギカ』と並ぶ新房×シャフトの代表作となった『<物語>シリーズ』。その最終章となるのが本作である。これはしかと見とどけねばならぬ。

というわけで『終物語』感想。

うん、これぞ『<物語>シリーズ』の総決算である。感慨深かった。ラストで主人公・阿良々木くんがとった選択は、いかにもお人好しの彼らしい。

ただし、本編放送前に今までのまとめを延々流すのは、いただけない。二日目なんて総集編だけで40分もあったじゃないか!

総集編なんてカットするかわりに、一日に圧縮して放送してくれたほうが、個人的にはよかった。

同じくお盆の時期に、こちらは再放送されていたのが『けものフレンズ』だ。

しかもお子さまにも見られるよう、朝の時間帯での放送である。ご丁寧に、OPの前に子供とお姉さんが一緒に歌うというEテレ的な演出まで挿入されている。どうやらターゲットをオタク層から子供へと拡大したいらしい。

けものフレンズ』、最初見たときは「何この安っぽいCG」と呆れかえったものだが、見方を変えれば、いかにも萌えアニメ然とした絵柄よりも、これくらいのCGのほうが子供からは受け入れられやすくて、かえって好都合なのかもしれない。

 

今月も、本をたくさん読んだ。

今月読んだなかでのベストは、やはりなんといっても、山際素男さんの『破天』(光文社)。インド仏教界の指導者である日本人僧侶・佐々井秀嶺さんの評伝だ。

佐々井さんはご存命だが、すでに「歴史上の人物」と言っていい。ビームラーオ・アンベードカル(1891‐1956)によって撒かれたインド仏教再興の種を見事に開花させ、1億人もの不可触賤民たちを率いる指導者となったのである。

日本のマスコミよ。「ご覧ください! 世界の観光客たちがこんなにも日本を称賛しています!」みたいなクダラナイ日本礼賛番組なんて垂れ流してる暇があったら、もっと佐々井秀嶺さんのドキュメンタリーを放送したらどうだ。そのほうがよっぽど日本人に誇りを与えることができるぞ。

このほか、強く印象に残ったのが高村薫『太陽を曳く馬』(新潮社)。これまた、仏教関連の本(小説)だ。

物語後半、曹洞宗のお坊さんたちがオウム真理教の教義を曹洞宗の観点から論駁していく場面が圧巻。この本を読んでから、仏教、とりわけ曹洞宗について、もっと勉強してみたくなった。

最後に、将棋棋士・今泉健司四段の『介護士からプロ棋士へ 大器じゃないけど、晩成しました』講談社を挙げたい。

プロ棋士への夢に一度は敗れながらも、努力してアマチュアからプロ棋士となった今泉四段による回顧録である。

こちらのほうは、まだ本ブログでは紹介していない。来月にはレビューを上げる予定なので、楽しみにしていてほしい。