Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

書評『人はなぜ働かなくてはならないのか』

働きたくないでござる。

 

だってぇ~、働いている分の時間がもったいないじゃないですかァ。

できれば、本を読んだり映画やアニメを見たりして過ごしたい、とつねづね思ってます。

 

そういうわけで本著を手に取った次第……というわけでもないんだけど(w)、タイトルがなんか気になったのだ。

 

一体全体ど~して働かなくちゃいけないの。できることならず~っと家でゴロゴロしてたいよ。

…そう疑問に思う人は多いだろう。その答えが知りたいと思って本著を手に取った人は…

 

まず間違いなく、挫折するw(;^ω^)

 

なぜって本著、かな~り難しいのだ。

著者は、評論家の小浜逸郎さん。本著は新書ながらも、小浜さんの思想がギューギューに濃縮されて詰まっている。だから、思想書や哲学書を読みなれていない人にとっては、なかなか内容が頭に入ってこないのだ。

 

小浜さんによれば、どの時代や社会にあっても、人々が共通にぶつかる「生」の問題は「死と労働と愛と権力」の四つにまとめることができるという。

この四つのテーマを軸として、本著は「思想や倫理は何のためにあるのか」「人間にとって生死とは何か」「「本当の自分」なんてあるのか」「人はなぜ働かなくてはならないのか」「なぜ学校に通う必要があるのか」「なぜ人は恋をするのか」「なぜ人は結婚するのか」「なぜ「普通」に生きることはつらいのか」「国家はなぜ必要か」「戦争は悪か」という、いささか挑発的な10の問いで構成されるのである。

タイトルにもなっている「人はなぜ働かなくてはならないのか」は、この10の問いのひとつにすぎなかったのだ。

 

小浜さんは、「本当の自分」とは何か、といった実存の問題から議論を始める。やがて恋愛や結婚といった性愛の問題へと話は移り、最後には国家論・戦争論にまで行き着く。

新書には似つかわしくないくらいの、ずいぶんと壮大な構成である。

 

僕は頭があまりよくないものだから、本著での小浜さんの議論を十分に咀嚼し、理解することは、現時点では残念ながらまだできていない。

それでも、おぼろげながら分かってきたのは、小浜さんはどうやら「大きな物語」を構想しているようだ、ということである(誤読だったらすいません…)

僕は、哲学者の柄谷行人さんを思い出す。

柄谷さんもまた、「大きな物語」を構想する人だ。彼の著作『世界共和国へ』岩波書店を読むと、彼が、市場交換、互酬、再分配、そして「交換様式X」などの用語で、この世界の成り立ちを説明しようとしていることが分かる。

昨今の若手論客たちは、こうした「大きな物語」を構想するのを避け、もっと小さい個別のテーマを扱うことが多い。

でも、それってなんか、せせこましくないか。小浜さんのように「大きな物語」を語る論客がもっといたって、いいじゃないか。

 

人はなぜ働かなくてはならないのか―新しい生の哲学のために (新書y)

人はなぜ働かなくてはならないのか―新しい生の哲学のために (新書y)