Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

書評『映画で学ぶ現代宗教』

本日ご紹介する本は、『映画で学ぶ現代宗教』(弘文堂)

まさにタイトルのとおり、映画を通じて宗教について学ぼう! という本である。

著者はおなじみ釈徹宗さn……とばかり思っていたら、違った(w

本著は、複数の社会学者、宗教学者らが書いた映画の紹介文を、編者である歴史学者井上順孝さんがまとめたものであった。(^▽^;)

 

本著で取り上げられるのは、仏教、キリスト教イスラーム教など、世界の宗教をテーマにした映画たち。あらすじも載っているし、宗教社会学的に重要な用語は太字で印刷される、というサービスぶりである。

本ブログでも以前取り上げた『刑事ジョンブック 目撃者』『ザ・メッセージ 砂漠の旋風』『ファンシイダンス』『アンドレイ・ルブリョフ』などの作品も紹介されており、とても楽しいし、勉強になる。

 

勉強になるというのは、たとえば『ザ・メッセージ 砂漠の旋風』の紹介文。

この映画において、イスラーム教の開祖・ムハンマドの顔が描かれることはない。預言者の顔を描くことはイスラ―ムの教義により禁止されているから、と僕は思ってきた。だが、ことはそう単純でもないらしい。

≪映画冒頭で、イスラームは「マホメットの影像を禁じ」ているため、その「姿は画面に登場しない」とのクレジットがあるが、この和訳には多少語弊がある。英語原文には「預言者の具現化は、彼のメッセージの精神性を損なうと考えるイスラームの伝統を尊重する」とある。実際コーランには預言者の肖像画を禁止する条文は存在せず、単に偶像崇拝を禁じているだけである。歴史上ムハンマドの姿を描く細密画は皆無ではなく、現代もイランなどではムハンマド肖像画が市販されているという。≫(60頁、太字部分は原文ママ

そ、そうだったのか……(;^ω^)

 

本著は、しかしながら、コアな映画ファンの方が読むと、いささかガッカリしてしまうかもしれない。

というのも、本著は映画そのものというよりかはむしろ、映画を通じて宗教や社会について知ることを目的に書かれた本だからだ。

本著は、したがって映画批評というよりかは、宗教学ないし社会学の本として読んだほうが適切、と言えるだろう。

もちろん、「人文・社会科学にも興味があるよ」という映画ファンの方にとっては、本著はオススメの一冊である。

 

僕は結構映画を見ているほうであるが、それでも本著を読むと、まだまだ未見の映画が数多くあることを思い知らされる。

あぁ~、もっと映画見たい(w

 

映画で学ぶ現代宗教

映画で学ぶ現代宗教