Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第213回)

・『曼陀羅

日本アート・シアター・ギルド(ATG)制作の映画には前衛的なものが多く、今日見るとその奇抜さに驚いてしまう。

本作もそのひとつだ。冒頭、男女ふたりのセックスのシーンが延々数分間も続くところからして、あっけにとられる(w)。しかもその男女、どうやら他のカップルとスワッピング――セックスの相手を交換すること――をしているようなのだから、なおさらだ。

なかなかにアバンギャルドな本作だが、おおまかなあらすじを述べると、新左翼と思しき若い男女たちが、俗世間から逃れて一種のコミューン(共同体)をつくる、というお話である。

しかし彼らは、まぁ当然というべきか、挫折し、本作は悲劇的なラストを迎える。以前ご紹介した『ガイアナ 人民寺院の悲劇』とも通じる結末だ。もっとも、生々しい『人民寺院~』と比べると、こちらのほうはだいぶ抽象的だけれども。

 

曼陀羅 [HDニューマスター版] [DVD]
 

 

・『痴人の愛

画家の道をあきらめ、医大生となった主人公の青年。そんな純朴な彼が、場末のバーでいかにもメンヘラ―っぽいヒロインの女に一目ぼれしてしまったものだから、さぁ大変(w

女は彼を捨てて別の男と結婚するが、案の定、ただちに離婚(w)。また青年のもとへと戻ってくる。そんなダメ女の彼女のことを、しかしながら主人公はどうしても見捨てることができない……

という、ファム・ファタールモノの映画。「どうして、よりにもよってこんな女に……」と我々観客は思ってしまうが、しょうがない。童貞ほど、このテの女に引っかかってしまうものである。

主演の俳優が、見るからに童貞っぽい主人公の青年を好演。

 

痴人の愛 [DVD]

痴人の愛 [DVD]

 

 

・『小さな目撃者』

地中海の架空の小国。アフリカ某国から大統領が訪問してきたが、あろうことか大統領は何者かによって狙撃され、命を落としてしまう。

この時、実行犯の顔を目撃してしまったのが、空想癖のある地元の少年。実行犯一味は口封じのため、少年の行方を追う。

……と書くと、スリル満点のサスペンス映画かと皆さん思うことだろう。たしかに、基本的にはサスペンス映画なのだが、ジョン・ハフ監督による、どこか人を食った感じのフシギな演出が印象に残る一作でもある。

主人公の少年が銃殺刑ごっこ(!)を楽しむという冒頭のシークエンスからして、ぶっ飛んでいる!

 

小さな目撃者 マーク・レスター主演 [DVD]

小さな目撃者 マーク・レスター主演 [DVD]

 

 

・『ディスクロージャー

シアトルのIT会社に勤務する、マイケル・ダグラス演じる主人公。家族仲も良く、順風満帆に思えた彼の人生であったが……

新しく赴任した女性上司からなんとセックスを強要(!)されそうになり、妻子がいるからと懸命に断ると、あろうことかその翌日、彼女は「セクハラ被害を受けた」と言って主人公を提訴してきたではないか! 主人公の一週間にわたる戦いが、かくして幕を開けた。

本作は、セクシャル・ハラスメントをテーマにした映画である。それも一般的な「男から女へ」ではない。「女から男へ」のハラスメントであるところがポイントだ。

ひとつ、印象的な場面がある。女性上司から襲われた日の晩、主人公はエレベーターに乗り合わせた会社社長(男性)から唐突に「……実は君のことが好きだったんだ」と告げられ、キスまでされそうになるのだ――直後、主人公は慌ててベッドから飛び起き、このエレベーターでの一幕が自身の見た悪夢であったことを知る

僕ら男性はどうしても、「自分は男なのだからセクハラの“被害者”になんてなるはずがないや」と思ってしまいがちである。だが、そんなことはない。上司が女性であれば、あるいはゲイであれば、男性社員もまたセクハラの被害者となり得るのだ。男性諸君、ゆめゆめ忘るることなかれ。ちなみに僕はというと……

エロい女性上司さんに逆セクハラされたいです♡♡♡

 

 

・『12モンキーズ

20世紀末、細菌兵器によって人類の大半が死滅してしまう。かくしてディストピアと化した21世紀の世界から、細菌兵器について調査すべく、ブルース・ウィリス演じる主人公がタイムトラベルによって20世紀末のアメリカへと送り込まれる。

ところがこのタイムトラベル、技術としては甚だ不完全で、20世紀末のアメリカのはずが、誤って第一次大戦中のフランスへと主人公を送り込んでしまうなど、散々である(w

だが、それも無駄骨ではなかった。主人公の話に当初は半信半疑だった精神科医のヒロインが、彼の体内から第一次大戦時代の銃弾が剔出されたことで、ようやく彼を信じるようになるからである。かくして同志となったふたりは、過激な動物愛護団体12モンキーズ」に疑念の目を向け、徐々に迫っていく。

監督は、『未来世紀ブラジル』で有名なテリー・ギリアム

俳優陣のなかでは、「12モンキーズ」の頭領にして精神病患者でもある青年を演じたブラッド・ピットが光っている。彼はこの演技で1995年度ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞したのだという。納得!