Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第221回)

・『ベスト・キッド

新しい月の始まりにふさわしい、よく出来た娯楽映画だ。

主人公の、いじめられっ子の少年。そんな彼が、引っ越し先のお隣に住むナゾの日本人“ミヤギ名人”から琉球空手を教わる、というお話である。

主人公、さっそくミヤギ名人に弟子入りを希望するも、任されるのは雑用ばかり。いつまで経っても肝心の空手を教えてくれない。業を煮やした少年が名人に問い詰めると……

驚くなかれ。窓ふきなど、これまで行ってきた雑用の数々は、実は空手の型を習得するための修行の一環にほかならなかったのだ。納得した少年は、引き続き名人のもとで修行に励む。やがて彼は、肉体的のみならず精神的な意味でも、“強さ”を獲得していく。

ミヤギ名人が空飛ぶハエを箸(!)で捕まえるなど、相変わらずトホホな描写も見られるものの(^▽^;)、一方で、第二次大戦中の日系人の悲劇にも触れている点には、好感が持てる。

ラストの空手大会のシーンは、なかなかの見応え。さすが、『ロッキー』を撮ったジョン・G・アヴィルドセン監督である。

 

ベスト・キッド (字幕版)
 

 

・『ペーパーチェイス

日本では「大学受験こそ本番。大学は遊ぶところ」というなにやら倒錯した“常識”がまかり通っているが、海の向こう、米国の大学ではもちろん、そんな“常識”は通用しない。

本作の舞台は、ハーバード大学のロー・スクール法科大学院。主人公たちは、とかく厳しいことで有名な鬼教授にみっちり絞られながら、日々、法学の勉強に明け暮れる。

その毎日は、過酷そのもの。勉強以外のことをやる時間などない。恋愛との両立などもってのほかだ。そんな厳しい生活に耐えられず、自らの才能には自信を持っていたはずの秀才たちが、次々と脱落していく。

まるで軍人かロボットかというくらい冷徹な鬼教授だが、主人公はある日、そんな教授の若い頃のノートを大学図書館で見つけてしまう。そこには落書きもある。なんだ、彼とて所詮は人間だったか、とホッとする主人公。

このように人間味ある場面も、あるにはあるのだが……。ラスト、成績通知書の収められた封筒を、さて主人公はどうしてしまうか。このシークエンスにこそ、制作陣の大学教育に対する強い批判が込められている。

ひところ話題になった『ハーバード白熱教室』とはまったく違う世界が、ここにはある。

 

 

・『ペット・セメタリー』

幽霊が出ることで有名な場所がある。調べてみると、なんとその場所にはかつて墓場が……

という展開は日本の怪談では定番中の定番だが、どうやらアメリカでも事情は同じのようだ。 

田舎に引っ越してきた、主人公の医者の家族。だが新居の敷地の奥には、見るからに不気味な雰囲気に覆われたペット墓場(ペット・セメタリー)が、そしてそのさらに奥には、ネイティブ・アメリカンの墓地があった。

やがて、一家の飼っていたペットの猫が死ぬ。ネイティブ・アメリカンの墓地に埋葬してやると、なんと翌日その猫は生き返ったではないか。だが様子が変だ。やたらと攻撃的な性格になっている。

なんと、その墓地に葬られた死者は、あろうことか、蘇生してゾンビになってしまうのである!

かくして、主人公一家は次々と悲劇に襲われる羽目になる。

前半は、なにやらおどろおどろしいホラー映画といった感じで緊張感があるが、後半は……まぁたしかに緊張感はあるのだが、もはや完全にただのゾンビ映画となってしまっており、いささか安っぽい印象は否めない(;^_^A

おっと、言い忘れてた。原作者は、スティーヴン・キング。数々のホラー映画の原作を手掛けていることでおなじみの、ホラー作家である。

 

ペット・セメタリー [DVD]

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・『ベン』

昔、東京ディズニーランドのアトラクションで、暗闇のなかをものすごい数のネズミが一斉に、観客の足元に向かってうわぁぁぁぁと迫ってくる、というものがあった――アレ、今でもまだあるのかなぁ

あの感触はもう本当に本当に気持ち悪くて、今思い出すだけでも鳥肌が立つほどだが(;^ω^)、さて本作は、ネズミが大量発生して街の人々に襲いかかる、という内容のパニック映画である。

と言っても、本作のネズミくん、単なる悪役というわけでもない。ネズミの一群のうちの一匹が、病気がちの少年と仲良くなる。ネズミは少年によくなつき、彼から「ベン」という名前をもらう。

一方、街の大人たちは、人々に危害をもたらすネズミたちを一掃すべく、その巣のありかをつきとめ、火炎放射器で壊滅させようとする。

ネズミと少年との友情を描いた本作、ただのパニック映画ではないところがポイントだ。

 

ベン [DVD]

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・『殺しの分け前/ポイント・ブランク

正直に白状してしまうと、僕はハードボイルド映画にはあまり興味がないのだ。

だが本作は別。ジョン・ブアマン監督の独特の映像センスが光っているからである。

恥ずかしながら今になってようやく知ったのだが、このブアマン監督、もともとはジャーナリスト・批評家であり、テレビの世界でドキュメンタリーを制作しているうちに映画監督へと転身、本作を撮影したのだという。こんな面白い経歴の人だったのか(w

彼の独特の映像感覚は、たとえば色鮮やかな数々の化学薬品が垂れ流された流し、場末の酒場で奇妙な発声で“歌う”黒人歌手、などの形をとってあらわれる。

クライマックスの舞台は、映画の世界ではおなじみ、脱獄不可能の監獄・アルカトラズ島だ。ここでの、光と影のコントラストを強調した演出は、ブアマン監督の真骨頂だ。

本作で華麗なデビューを果たしたブアマン監督。彼がのちに手掛けたのが、以前ご紹介したSF映画『未来惑星ザルドス』である。