Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第242回)

・『Fate/stay night [Heaven's Feel] I. presage flower』

アニメ制作会社・ufotableはこれまで、TYPE-MOON作品の映像化に定評がある。そんなufotableがこのたびついに、人気ゲーム『Fate/stay night』のシナリオのひとつ、"Heaven's Feel"――通称「桜ルート」――を映像化した。三部作。本作は、その第一部だ。

10年前、死闘「第四次聖杯戦争」の舞台となった、地方都市・冬木市。平和を回復したはずのこの街で、再度、聖杯戦争の火ぶたが切って落とされようとしていた。

本作のメインヒロインは、Unlimited Blade Works〕のほうではぶっちゃけ影が薄かった間桐桜。本作ではまだまだ可愛らしい彼女が、物語が進むにつれて次第に“黒化”していくところが、この「桜ルート」の一番の見どころ。本作終盤ではいわゆる「黒セイバー」もその姿を見せてくれる。

こうしたダークな世界観は、ufotableにとっては得意中の得意。『空の境界』では、他のアニメ会社の追随を許さない高いクオリティーを存分に見せつけてくれた。

繰り返しになるが、本作はまだ三部作の第一作にすぎない。次の第二部が、今から楽しみだ。

 

 

・『オデッサ・ファイル

1963年の西ドイツ。主人公のジャーナリストがナチスの残党の調査を開始する。途中、様々な危険に遭遇しつつも、彼は着実に闇の中へと切り込んでいく。

やがて彼は「オデッサ・ファイル」と呼ばれるファイルを入手する。そこには、現在は偽名を使って潜伏している、ナチスの残党たちの本名と顔写真が掲載されていた……

スリリングがシーンが多い本作だが、とりわけ印象的なのがラストだ。

主人公はついに、残党の親玉を追い詰める。これは、ジャーナリストと残党の戦いであるだけではない。ナチス・ドイツと西ドイツとの戦いでもあるのだ。

親玉は、いうなればナチスの亡霊として、戦後社会への呪詛の言葉を口にする。平和な世に突如として甦った悪霊の声のようで、僕には恐ろしかった。

ドイツも日本も、ともに敗戦国ゆえ、事情は同じだろう。1960年代は、一見すると平和で豊かな時代であった。だが、たった一皮剥くだけで、先の戦争の爪痕が姿を見せ、戦争を記憶する人々の声が溢れたのである。

 

 

・『エバン・オールマイティ』

本ブログでは先日、神がなんと人の姿をまとって現代アメリカに降臨する『オー!ゴッド』を取り上げたが、本作もまた、神が現代アメリカに現れる映画である。こちらは、黒人の名優モーガン・フリーマンが神を演じている。

選挙に当選し、下院の一年生議員となった主人公。さっそくワシントンDC郊外の邸宅へと引っ越すが、そこにフリーマン演じるナゾの黒人男性が唐突に現れ、「箱舟を作れ」と主人公に命じる。もちろんそれは、神からの啓示であった。

啓示によれば、9月22日にワシントンDCは洪水に見舞われるという。その前に箱舟を完成させなければならない。主人公のまわりにはやがて、周囲に暮らす野生動物たちが続々と集まってくる。

周囲から奇異の目で見られつつも、主人公は箱舟作りに取り掛かる。彼の顎には、剃っても剃ってもまた生えてくる奇妙な髭が伸び、髪も伸びはじめた。彼は、見るからに「預言者」といった趣きの風貌となった。

本作はコメディ映画なのだが、預言者なるものの本質をよく捉えている。

我々は、日頃から信心深く品行方正な人間が神に選ばれて預言者になると思いがちだが、実はそうではないのだ。神に選ばれるかどうかは、神のみぞ知る。人間には計り知れない。すなわち、何の変哲もないごく普通の人間でも預言者になりうるのである。

主人公は、しかしながら啓示を受けたことで次第に預言者としての自覚を持つようになり、威厳すら漂わせはじめる。

人は、聖人だから預言者になるのではない。預言者だから聖人になるのである。

 

 

・『007 私を愛したスパイ

さぁ、『007』である。ジェームズ・ボンドである。

以前にも書いたが、僕は「ジェームズ・ボンドは断固ショーン・コネリー」派である。それ以外の人たちは、どうにもパッとしない。

「それじゃあ、ダニエル・クレイグの金髪ボンドなんて、ぜぇーったい、認めませんよね?www」と人からはよく言われるのだが、これが案外そうでもない(w)。あそこまでイメージが変わると、かえって頭の切り替えがスムーズにいくため、アレはアレでOKなのである(w)。むしろ彼の前の、中途半端にショーン・コネリーの面影を引きずってるようなのが、一番ダメ。

で、本作のボンドはというと、ロジャー・ムーアである。一般には「ショーン・コネリーロジャー・ムーアのボンドなら許せる」派が多いようだ。僕は、「ま、これくらいなら許してあげてもいいかな」という感じである(←なんという上から目線だろう)。ロジャー・ボンドのほうが、より軟派な印象を受ける。

本作の舞台は、海。ナゾの潜水艇に暮らす、世界征服をたくらむ悪党に立ち向かうべく、イギリスのボンドとソ連の女スパイが世界を暗躍する。本作のボンドガールであるこの女スパイはもちろんお色気たっぷりなので、男性諸君は大満足であろう(w

スパイ映画ではお約束と言うべきカーチェイスもあり、これまた僕にとっては大満足であった(w

 

007 私を愛したスパイ (THX版) [DVD]

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・『007 ムーンレイカー

海の次は宇宙だ(w

本作は、宇宙から地球侵略を試みる悪の組織に、ロジャー・ムーア演じる我らがジェームズ・ボンドが立ち向かう、というお話。

ろくに訓練も受けないままスペースシャトルでさっさと宇宙に行ってしまうという展開は、ツッコミどころ満載(w)。ラストで繰り広げられる宇宙空間での銃撃戦はまるで『スター〇ォーズ』のようで、これまた笑ってしまう。

今回はボンドガールがやや地味めなのが残念だが(w)、全編にわたって愉快なアクションシーンが盛りだくさん。ヴェネチアのゴンドラを使ったアクションも面白いし、リオのロープウェイ上でのアクションも良い。『荒野の七人』のパロディ・シーンまであって笑ってしまった。

前作『私を愛したスパイ』から引き続いて登板した悪役・ジョーズが、なぜかラストでは善人キャラになってるのも笑える(w