Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第244回)

・『ボクは坊さん。』

本ブログでは以前、真言宗僧侶・白川密成さんの『ボクは坊さん。』を取り上げた。

好評だったのだろう。なんと映画化されることになった。それが本作である。

お遍路の霊場のひとつに数えられている、愛媛県の由緒あるお寺。そこを実家とする主人公は、高野山大学を卒業した後、一度は一般の書店に就職するが、住職であった祖父が急逝したことにより、20代の若さで新住職となる。

改名にあたって役場の職員に愚痴を言われる話、お坊さんたちで野球チームを結成する話……原作でのエピソードも多数盛り込まれており、見ていてクスリと笑ってしまう。あ~、原作先に読んどいて良かった(w)。高野山大学の描写も、とても面白い。う~む、高野山大、僕も行ってみたくなったぞ(w

とはいえ、やはり映画である以上、ストーリーの盛り上がりも考慮しなければいけない。よって、中盤からはオリジナル展開となる。幼馴染の女性に突如降りかかった不幸に直面し、主人公は悩み苦しむ。彼は、人生とは何か、仏法とは何か、と自問しつづける。彼は、僧侶として、人間として、成長していく。

檀家役のイッセー尾形が好演。

 

ボクは坊さん。

ボクは坊さん。

 

 

・『アイガー北壁』

スイスを代表する高峰・アイガー(標高3970m)。その北壁は断崖絶壁のため、これまで多くの登山者たちの生命を奪ってきた。

本作は、1936年に実際に発生した遭難事故を映画化したものだ。

アイガー北壁は、本当に険しい。ほとんど90度と言っていい勾配だ。そこを、ロープや金具などわずかな器具を用いて登るのである。当然、常に滑落の危険がつきまとう。見ているこっちのほうまでヒヤヒヤさせられるほどだ(;^_^A

ヒロインがブスなのさえ除けば、風景といいアクションといい、なかなかに見どころのある映画であった。とはいえ、登頂成功ではなく遭難事故を題材にした映画は、やっぱり暗すぎる……

 

アイガー北壁 [DVD]

アイガー北壁 [DVD]

 

 

・『フォーリング・ダウン

戦前の日本の新聞には「暑さで発狂」という記事が散見されるが、本作は本当に暑さで発狂してしまった男のお話である(w)。もっともこの場合、暑さは単にトリガー(きっかけ)にすぎないのだろうが。

猛暑のLA。マイケル・ダグラス演じる主人公の男が、あまりの暑さに参ったのか、車を高速道路に放置し、そのまま去ってしまう。男は付近の商店で暴れるなどしながら、別れた妻の家を目指してLA市内を移動しつづける。

男の言動は意味不明だ。韓国系の店主が経営する商店に立ち寄り、「この国(米国)で商売するなら英語くらいもっと話せ」と怒り、暴れる。それでは彼はレイシストなのか。そうでもないらしい。白人のレイシストの店主が経営する武器店に寄った際、店主と口論になり、彼を殺害するからである。

男は、ファストフード店に寄った際にも、「朝食メニューなんていらない、普通のメニューを出せ」と怒り、銃を出して暴れるが、かといって従業員に危害を加えるわけでもなく、金もちゃんと払う。

男は、悪人なのだろうか。

そうではない。彼は狂人である。

そして狂っているのはなにも彼だけではないのだ。本作のもうひとりの主人公とも言うべき、ロバート・デュヴァル演じる老刑事は、ヒステリー症の妻に悩まされている。そして彼自身もまた、その生真面目な性格ゆえに周囲から疎んじられているのだ。

ある意味、男と老刑事は似た者同士であった。だからこそ、ラスト、刑事が男に向ける表情が、またなんとも味わい深いのである。

LAの街には、失業者やホームレスなどがあふれかえる。かくして我々は知るのだ。狂っているのは男だけではない、この社会そのものが狂っているのではないのか、と。

率直に言って後味の悪い映画だが、そうであるがゆえに、名作であった。

 

フォーリング・ダウン [DVD]

フォーリング・ダウン [DVD]

 

 

・『26世紀青年

このままAI人工知能が長足の進歩を遂げると、人間はもはや働かなくてもよくなるだろう。そうなると、知能を必要としなくなった人間は、ただのバカになってしまうのではあるまいか。

……と問題提起してくれるのが本作である。あらかじめ断わっておくが、浦沢直樹20世紀少年』とはまったく何の関係もない(w

米軍のコールドスリープ(人工冬眠)の実験に参加した、主人公の凡庸な青年。当初は1年間の予定であったが、途中で中止となったことから計画自体が忘却され、彼はなんと500年後の26世紀まで冬眠する羽目となる。

長い眠りから目覚めた主人公が見たものは、なんと、文明が発達しすぎたがゆえに全人類がバカになってしまったという、衝撃の未来社会であった。

どいつもこいつもバカであるため、たとえば『ASS』(ケツ)というタイトルの、ただひたすら人間のケツを90分間撮影しただけの映画がアカデミー賞を取ってしまうのである(w

そんな未来社会になじめない主人公は逮捕されてしまうが、裁判も、弁護士から裁判官まで揃いも揃ってバカなのでお話にならない。彼は刑務所に収監されるが、“この時代の尺度からすれば”知能が高すぎたため、急遽ホワイトハウスへと招かれ、プロレスラーの大統領――あれ、なんか誰かさんと境遇が似てるなw――によって、なんと閣僚に抜擢されてしまう。

新米閣僚となった彼がさっそく任されたのが、農業問題。ここ26世紀の世界では、農作物にスポーツ飲料を散布するという“農法”が行われていたが、主人公はこれを止めさせ、かわりにただの水を散布させる。ところがそのせいでスポーツ飲料企業の株価が大暴落。AIの判断により同企業の従業員の多くが解雇され、彼らは自分たちが失業したのは主人公のせいだと訴える。主人公は、かくして処刑(!)されることとなるのだが……

まぁ、ディストピアといえばディストピアなのだろうが、なんとも間の抜けた(w)、愛嬌のあるディストピアである。こういうディストピアは見たことなかったなぁ。

僕は終始ニコニコしながら本作を鑑賞したのでありました。

 

26世紀青年 [DVD]

26世紀青年 [DVD]

 

 

・『ファイティング・テンプテーションズ

黒人の音楽プロデューサーが、ビヨンセ演じる黒人の歌姫とタッグを組み、音楽業界を席巻していくまでを描く。

といっても本作の場合、ストーリーはぶっちゃけどうでもいい(w)。本作は完全に音楽がメイン。ビヨンセの長い長~いプロモーションビデオだと思って見たほうがいいだろう(w

黒人音楽が好きな方にはおススメ♪